第161話


「いやぁ、暑いねぇ」


 そうですね、と同意すると「そうだろー?」といってソファに沈む。気持ちは分かるのだが一応自分は客なのであってこの体たらくは如何なものなのだろうか。


「そんなこと言ってもねぇ。まあ、学生時代はこの夏も楽しめていたんだが、職についてからは楽しみもなくてねぇ」


 そう言って何かを引き寄せたかと思うとそれはアイスクリームだった。


「夏の楽しみなんて、これが美味しく食べられるくらいなもんだよ」


 この前もアイスを食べていたようだが、この執務室は一体どうなっているんだろうか。


「まぁまぁ、そんな細かいことはいいじゃ無いか。君もどうだい?」


 まあ、頂きはするが。


「君も正直だねぇ。いいと思うよ僕は」


 やれやれと溜息をつきながら、自分も来客用のソファにお邪魔する。


「侵入者との連戦を終え、暫しの暇。夏と言ったら夏休み。宿題、行事、キケン、夏も数々の波乱が待っている。第9章、水面に写る常夏マーメイド」



「水着回もあるよ」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る