第22話
昼休みの後、午後の実技の為に体育館に他の生徒達と集合した。
「昨日伝えていた様に、今日は早速実技の授業を行う。その前に……」
何やら並べられた箱を一つずつ開けていく。
「これを配る。受け取ったらすぐに腕に巻く様に」
そう言って先生は箱から取り出したソレを配る。そして、前から回されてきたのは腕時計の様な形状をした端末だった。
「(………ん?)」
指示通り腕に巻くと画面が壊れたゲームの様にピコピコ移り、変わり暫くして「パッ」っと止まる。
桐堂廻影 Level 3
・性別 男
・年齢 15歳
・分類 人間(無能力者)
・シュミレーション戦闘回数 0
「(Level……?)」
下四つは分かるんだが、1番上の名前の横に記されたLevelという文字が気になる。
「それは簡易ライセンスデバイス。まあ、車の仮免許みたいなもんだな」
「………」
「皆も気になるLevelと言うものだが、これはまあ、今のお前達の力量を数値化したものだ。お前達が強くなれば勝手に更新される」
先生のその言葉にワイワイと自分たちの数値を覗こうとする。人によっては5や6もあるらしい。
「(あまり高い方では無い、か)」
少しショックを受ける。
「今は気にしなくていい、そのうち上がる」
他の低かった生徒達を見て察したのだろう。先生はそう言って励ます。
「とにかく、それは実技の時も使うからな。つけたまま着いてこい」
指示通り一斉に傘草先生が入っていった先について行く。そこは、殺風景な真っ白な廊下だった。
「自分の出席番号と同じ部屋に入れ。言わなくても分かってると思うが、ハウンドを持ってだぞ」
左右に部屋が並んでおり、入り口には数字が振られている。僕の番号は12番だ。
「(………よし)」
意を決して入る。そこは……
「(これは……!?)」
今度は殺風景な一室ではなく、木々や岩山、広大に広がる草原だった。
本物と何ら変わらない風の感触に、僕は唾を飲んだ。
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