第32話 アーサーとの恋

毎日やって来て

彼は優しく 接してくれた ゆっくりとしたペースで

言葉や文字を教える・・


覚えの早いエリンシアは 瞬く間に 巨人族の言葉や文字を習得した


ある日 アーサーは言った

「もう完全に習得したようですね・・教える事はありません」

そう言って微笑んだ


彼のその優しい瞳は 恋人だった男 エイルの実の父親を思い出させた


涙がこぼれる

もう彼は来ないのだ


エリンシアの涙に彼は


そっと肩に手をおき・・優しく抱きしめる


「貴方の事を好きになってもいいですか?エリンシア姫」


エリンシアは頷く 涙を流すエリンシアにそっとくちずけをする


「また 理由を作って 会いに来ます・・エリンシア姫」


部屋から彼が出てゆき エリンシアは一人残される


夜には また あの巨人族の王に呼び出されるのだ

エリンシアは涙を流しながら 

再びアーサーに会えるのを祈るような思いで待つ事にした


白の国にいるあの懐かしい人達はどうしているだろう

義兄様・・リアン様・・そして我が子 エイル・エルトニア・・



それに・・テインタル王女


この巨人族の国にいるというのに どうしているのか 全くわからない・・


会いたい・・どうしているだろうか? 無事なのだろうか?

酷い事をされてないように ただ 祈る事しか出来ないエリンシアだった

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