第11話井上夏帆
あやみは初代女将の「国見くに」から次の女将の
「井上夏帆」の話を聞いて。早く帰ってもっと真相を確かめたい。そう思ったとたんに目眩がして床に倒れた。
数時間後あやみが目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。
「あれ?病院?」
「気がつかれましたか?あなたは病院の前で倒れていたんですよ。看護師が病室にハンデ繰れたんですよ」
「ありがとうございます。あの?もしかして
「国見くに」さんて方この病院で入院していましたか?」
医師は言った。
「入院していましたよ。たった今亡くなりましたが、不思議な事に苗場の森旅館の中居さんも数人運ばれて来ましてね。残念ですがみんなお亡くなりになりました」
あやみは「えっ?みんな?病名はなんですか?」
医師は「知り合いなんですか?」
そう聞いたが本当の事は言えず、「知り合いです。生前旅館が乗っ取られると国見くにさんが言ってた者で私はジャーナリストでして」そう言って名刺を渡した。
「そうでしたか~どうりで~こんな大きなバックを持っていたんですね」
あやみがベッドの側を見るとそこには、あやみの取材用のバックが置いてあった。
取材用のバックは旅館に置いてあったはず?何でここに?あやみは不思議で仕方がなかった。
「このバッグどうして?」
医師は「それだが不思議なんですよ。国見くにさんが危篤だったのにそのバックだけ握っていたんですよ。これはもうすぐ運ばれて来るジャーナリストのあやみさんのものだからって言って……」
それから医師は更に話を続けた。
先ほどの病名なんですが皆さん重篤の「ギランバレー症候群です。誰かに少しずつ生の鶏肉を食べさせられたと考えられます。これは、殺人です。私は警察に連絡いたしました。あの旅館では、一度も食中毒なんて出ていない。これは、食中毒に見せかけた殺人事件です」
あやみは聞いた。
「あの~井上夏帆さんはお見舞いに来ましたか?」
医師は言った「一度も来ていませんが~」
「そうなんですね。一度も~やはり旅館を乗っ取る気だったのかも?知れない」
その時、病室のドアを叩く音がした。
あやみはふらふらしながら病室のドアを開けた。
そこに立っていたのは「中村桂子」だった。
あやみは
「あなた生きてたのねよかった」そう言って中村を抱き締めてあやみは泣いた。
「私も癒やしの森のお風呂で死んだと思ったけどお風呂の底と現実の世界が繋がっていたみたいで気が付いたら私も病院で目が覚めたの。私も全て知ったわ。国見さんはきっと亡くなる前に私達に真相を知らせたかったんだよ。ジャーナリストの私達にね。無念を張らす為に。そうそうテレビをつけて今ワイドショーやってるみたいよ」
あやみはテレビをつけたそこには驚く事を放送していた。
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