第8話「中村桂子」

あやみと友里恵は「苗場の森旅館」に急いで戻った。そして、あやみは大女将にすぐに聞いた。

「中村さんの事で聞きたい事があります。」

大女将は「何でしょうか?吉田様、大事なお話のようですね。ここではなんですから、私の部屋に行きましょう。私はここの旅館に寝泊まりしているのよ。」そう言って、あやみと友里恵を自分の部屋に案内してくれた。


大女将の部屋は鍵がかけられていた。


大女将は、ドアの鍵を開けて中に入れてくれた。「話って何かしら?」大女将はあやみに聞いた。


「女将さん、本当は中村さんはこの旅館に下見と言って、泊まったんじゃないんですか?」


大女将は、「いいえ、お泊まりになっていませんが?誰に何を言われたのか?わかりませんが、

泊まっていませんよ。」


「御客様台帳は個人情報で見せられないでしょうから、出入口の防犯カメラを見せていただけませんか?」


大女将は仕方なさそうな顔で、


「本当に見ますか?後悔なさりませんように。深夜1時の映像です。」


そこには、驚く映像が映っていた。


それは「中村桂子とカメラマンが防犯カメラを避けて気がつかなかった。小さな隠しカメラに映っている。そう、中村とカメラマンは裏口から中に入り、外から何か部屋を調べているのだ。明らかに不法侵入だった。」


そして、大女将は言った。


「この映像以来中村さんには会ってないのよ。

それにこの映像は警察にも話してないの。

中村さんにはいつも旅館に泊まっていただいていますので。」


あやみは「済みません、うちの同僚が大変失礼な事をいたしまして。

警察にも届けないでいてくださりありがとうございました。」何度も謝った。


大女将は「いいのよ。それより心配だわ。

中村さんが、「癒やしの森」に行ってしまったのでは?ないのかと?」


その時だった。


あやみは気づいてしまった。

大女将の部屋にもう一つの部屋がある事に、

「苗場の森旅館」には全く合わない赤いドアに違和感を感じた。


あやみは聞いた「あの部屋は?」


「大した事ないわよ」大女将は言ったが、あやみは気になって仕方がなかった。


「開けてはダメ❗」


そう大女将が言ったがあやみは

絶対に開けてはいけないドアをあけてしまったのだった。

あやみは、「普通の仏壇があるだけですね。初代の女将さん達が眠っているんですね。

拝ませていただきます。」


大女将は「その上に飾ってある写真を見ないで、一番左の初代の国見くにというこの旅館を作った女将の顔を。」


大女将はそう言った。


だがあやみは「優しそうな顔をしていますね。

「国見くに」女将、女性が旅館を建てるなんてすごいわ。」そう言った。


「見てしまったのね。あやみさん、あれほど見てはいけないと言ったのに。あなた「癒やしの森」に連れて行かれるわよ。

すぐにね。いつもはそのドアも鍵をかけておくんだけど、どこで聞いたのか?鍵がよく盗まれてこの部屋を開けられてしまうのよ。


そして、初代の女将の写真を見た人は

「癒やしの森に連れて行かれるらしいの。

実際数年前からそういう御客様が出たと噂になっていたわ。私は自分で確かめたのよ。

初代の女将の写真を見た。

そしたらその日のたぶん夜に癒やしの森に行ったんだと思います。

気づいたら

「癒やしの森にいました。そして、初代の女将が居たんです。

でも、強く帰りたいと願ったので帰って来られました。帰って来られない人の末路は酷いものでした。」大女将はそう言うと、


友里恵だけは見ないように、女将部屋の外に出した、そしてあやみもすぐに外に出した。

大女将は自分も外に出て、すぐに鍵を掛けた。


あやみは「癒やしの森っていったい?今日の夜に友里恵を残して行くことになるのか?」


あやみは友里恵に行った。

「もしお母さんに何かあったら?お婆ちゃんとお祖父ちゃんのところに電話するのよ。」そう話した。



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