第3話「旅行と取材」
あやみは会社から帰宅中自宅に着いたらすぐに旅行の話を一人娘の友里恵に話すつもりでいた。
「どんな顔をするだろう?どんな笑顔を見せてくれるだろうか?」そんな事ばかりを考えていた。
自宅に着いた。
「早く知らせたいなー。友里恵は喜んでくれるかな?」
「ただいまー。お父さん、お母さんあやみは?」
「もう、寝ちゃったわよ❗」
「今何時だとおもってるの❗今まで、我慢してたけど友里恵はいつも寂しがっていたのよ❗」
「毎晩遅いし、取材ばかりで娘の面倒もみられない。あなたお母さんでしょう?少しは~。」
あやみは母親に詫びた。
「ごめんなさい、いつもお父さん、お母さんに友里恵の事を任せっきりで。」
「実はね、明日からの友里恵の夏休み、
一ヶ月間私と旅行に行かれる事になったの。
編集長が気にかけてくれたのよ。
私と友里恵の事を」
あやみは編集長から旅行券をもらった事
宿の手配もしてくれていた事、取材も兼ねているけど、一ヶ月も娘と旅行に行かれる事を丁寧に話した。
お母さんは
「それは友里恵ちゃんも喜ぶわ。
友里恵ちゃん中心に考えて旅行に行くのよ。
取材ばかりに没頭しちゃ駄目よ。」
お父さんは
「楽しんで来なさい。私も母さんとゆっくりしてるよ」
そう言ってくれた。
あやみはとりあえず自分の旅行の準備をしていた。
友里恵には朝になったら、旅行の話をして朝準備させないと、喜ぶだろうなー。そんな事を考えてばかりいたあやみは、なかなか眠れなかった。
朝、友里恵の声であやみは目が覚める結果になった。
「お母さん会社は?遅刻するよ?行かないの?」
あやみはまだ、眠い目をこすりながら、
友里恵に言った。
「旅行に行くのよお母さんと二人の初めての旅行よ」そう話した。
友里恵は「どっきり?夢見てるの?」
そう言っていた。
無理も無い事だった。
「今までろくに娘の面倒をみてこなかったから仕方ないわね」少しあやみは、ショックだった。
あやみは旅行券をもらった事、旅館の手配もしてもらった事取材を兼ねてだと言うことを友里恵に話した。
友里恵は「あー。知ってる、知ってる~。
あの都市伝説の「癒やしの森」の取材~。
私、行ってみたかったんだよねー。
あの疲れた人しか行かれないってテレビで話してたやつだよね~。早く行こう早く。」
友里恵はあやみとの旅行というよりは
「癒やしの森」の取材の方に興味があったようだ。
お母さんの
「ご飯よ~早く食べなさい。」
その声に
あやみと友里恵はキッチンに向かった。
朝御飯を食べずにいつも会社に行っているあやみは
母の作る料理をゆっくり食べる事なんてもう何年もなかった。
あやみは「あれ?お母さん。納豆は?味噌汁は?
いつもうちは和食だったよね?」
すると
「何言ってるの?今の若い子はみんな朝はパンよ。パンと珈琲とサラダ、喫茶店のモーニングみたいでしょう?」
父も言った
「友里恵がパンの方が好きなんだよ。パンもなかなか美味しいじゃないか。
やっぱり朝はパンだよ。なー友里恵」
あんなに和食にこだわっていた両親が、孫可愛さにここまで変わるとは?あやみはおかしくなった。
「ごちそうさまー。」
朝食を食べ終わると友里恵に旅行の準備をさせた。一ヶ月間なので、宿題も持っていかなければならず大荷物だった。
あやみは友里恵に言った。
「携帯持ったわね。ジージとバーバーの電話登録してあるわね。
お母さんの電話登録も。
山奥だからはぐれたら大変だからね。」
友里恵は「大丈夫ちゃんと携帯持ったし登録もしてあるから」あやみはその言葉に安心していた。
あやみも、友里恵も荷物が多いので、まるで外国に行くような荷物の量だった。
あやみと友里恵は東京駅に向かった。
友里恵は東京駅に行くのが初めてだったので、
いろいろな店を見てまわった。
「やっぱり早めに来てよかったわ。あんなに喜んでおしゃれなお店を見ているわ。
あー。そろそろ新幹線の時間だわ」
あやみは友里恵を呼んで新婚線に乗り込んだ。
新幹線に乗り込むとあやみは友里恵からいろんな話を聞いた。
友達の事、勉強の事、今まで話せなかった分たく
さん話す事ができた。
「友里恵、越後湯沢まで、一時間半かかるわね。
ちょうどお昼になるから、友里恵の好きなお店で高いものでもいいわよ。美味しいもの食べましょう。」
そう言った。
越後湯沢の駅に着いた。
「とりあえずあそこの荷物預かり所で荷物を預けて貴重品だけ持って、食事にしましょう。
どこのお店にする?お寿司?それともステーキ?」あやみは友里恵に聞いた。
友里恵はいがいなお店を指差した。
「私、あのお店がいい。」あやみは驚いた
「激安食堂」気を遣ってるのかな?
「友里恵いいのよ?お寿司とか高いものでも?」
そう言ったが友里恵はあそこがいいと言って聞かなかった。
中に入ると
「お母さん見て高校生がいっぱいいるでしょう。お母さん取材のチャンスじゃない。」
あやみは
「友里恵そのためにこのお店選んだのね。
ありがとう」
そう言うと急いで食べてお店の前で高校生に声をかけた。
ところが高校生は取材を嫌がり逃げていく高校生ばかりだった。
ここでの取材を諦めようとしていた時、
一人の高校生とその友達らしい人が声をかけて来た。
「僕たちで良ければ取材に協力しますよ。」
そう言ってくれた。
あやみは
「お願いします。そう言って取材をする事ができた」その高校生は驚く事を話してくれた。
「実は僕ら全員、昨日癒やしの森から帰って来たんです。気がついたら僕達は学校の廊下に倒れていました」
あやみは
「でも、ここ越後湯沢だよね?苗場の方で
「癒やしの森」があるって聞いたけど?」
「僕達の学校は苗場スキー場の近くにあるんです僕達はスキー部なんだけど、夏場スキーができないから足腰を鍛えるきつい練習メニューでした。
それでくたくたになって部活辞めたいとここにいるみんな思っていました。
そして、みんな疲れてその場に倒れてしまって、
気がついたら「癒やしの森」にいたんです。
あとの話は、テレビで話した人が、
体験した事と同じです。」
あやみは、
「君達の学校名を話して、住所は?これから君達の学校に行って、裏を取らないと。
取材してくるわ。スキー部の顧問の名前教えて。そう。林明先生ね。わかったわ」
あやみと友里恵はここから苗場スキー場行きのバスに乗り込んだ。「友里恵、バスで50分かかるけど我慢してね。苗場スキー場の近くの旅館だから。」
あやみと友里恵は高校生の学校に向かった。
その学校の周辺で「癒やしの森」に行ってしまい。
行方不明になっている人がたくさんいる事を後に知ることになる。
つづく
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