第11話

「佐川君だ! 元気だった? ここで働いてるの? ほかのみんなのこと知らない?」

 よっちゃんがクラスメイトとの再会に早口になる。

「あぁ、元気だよ。俺はここで働きながら、この世界のことや帰る方法を調べている。残念ながら俺以外の奴は知らん」

 質問にすべて答える佐川君だった。

「ねぇ、佐川君。この図書館に帰れる方法があるの?」

 一番気になる部分を掘り下げてみる。

「過去の漂流者の記録があるらしい。その中に、帰る方法があるかもしれん。まだヒントも得られてないが、何もしないよりいいだろ」

 しっかりしている佐川君だった。

 今後の方針を決めるために情報交換をすることにした、佐川君に案内されて別室に行く。

「私たちは、隣国のコメタ王国に保護されたんだけど、クラスのみんなを探すために旅に出たんだ。ちなみに、私は大魔女になったよ」

 えへん。と、自慢げなよっちゃんだ。

「俺は目が覚めたら、このホンタ王国の都市から離れたとこにいた。見たことない動物とかいるし、ドラゴンも飛んでるし、ああ終わったなと思ってたらホンタ王国の兵に保護されたんだ。あとはさっき話したようにこの図書館で働いて、帰る方法を探してる」

 ドラゴン。そういえば自分も見たなぁ。やっぱり異世界だとドラゴンいるんだなぁとか思った。

 そんなことよりも話を進めよう。

「じゃあ私たちはみんなを探すから、佐川君は引き続き帰る方法を探しててくれない?」

「いいけど、そっちの方が危険じゃねーか?」

 佐川君、いい奴じゃないか。

「だいじょーぶ! あきちゃんは私が守るから」

 心強い相棒だった。

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