田中ちゃん。クラスメイトを見つける。
第7話
コメタ王国を出て一日。サンジョさんの助言でホンタ王国を目指していた。
漂流者は基本的に観測した国が保護することになっている。国はこの世界で生きていくための知識を漂流者に与え、その対価として地球の情報を得る。なので、クラスメイトを探すならとりあえず国を回ればよい、とのことだった。
そして、コメタ王国から近い国がホンタ王国だった。
今は王道17号と呼ばれる大きな道をよっちゃんと二人で歩いている。
「よっちゃん、疲れてない?」
「ううん。私は元気ぃー」
よっちゃんはいつも元気だ。いいことだなぁと思う。
正直、疲れているのは自分のほうだった。もうすぐ国境の町に着くと思うが一休みしたいなぁ。
「あきちゃんこそ疲れてない? 小屋でも作ろうか?」
よっちゃんはいつも気が利く。いい子だなぁと思う。
昨日の夜、よっちゃんが土属性と木属性の合わせ技で簡単な小屋を作っていたのを思い出す。
「小屋はいいけど、そこの木陰で休んでいい?」
「いいよー」
この世界のいいところは、とりあえず飲み水に困らないことだ。
「水、飲める水、冷えた水」
情緒のない詠唱で飲み水を生み出した。イメージさえ固まればいいので、これでいい。でも、もっと個性とか出したほうがいいのかなぁと透き通る水を見て思った。
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