第11話「題して!」

 マリネ先輩は説明を続けます。

「えぇ、なんと! お料理部は! 初のほうれん草のポタージュを作りたいと思います!」

『おぉ』と拍手がおきます。

「ていうかまだ部活出来て一年くらいやねんからだいたい何でも初やろ」

「ジュレ。お前は分かってない! これはとても重大なことなんだっ!」

 マリネ先輩はとても真剣な、とても真剣な顔で言います。

 気圧されるように「う、うん……何が」と言います。

「なんと! ポタージュ作りにはロティ君にも手伝ってもらいますっ!」

 ポワレさんは一人拍手しています。

「え、わたしもですか?」

「た、確かに、それは重大なこと……なんか?」

「ああ。それはもう。革命が起きるかもしれない」

「ほんとにわたしが手伝っていいんですか……むしゃ」

「まだ食べてる。すごいなこの子」

「安心したまえロティ君。なんてったって調理の際はわたしたちが完全サポートする」

「おぉ。それはなんと心強い……むしゃ」

「題して! 『ロティの呪い発動前にサポートすればよくね? それではみんなで楽しく……レッツ、クッキング!』作戦!」

「作戦タイトル長っ。全部言うてもうてるし」

 ポワレさんは一人拍手しています。

「わたしの為に……あ、ありがとうございます。頑張ります……むしゃ」

「ロティちゃんそんなに食べて晩ごはん大丈夫なん!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る