第一章-3部 修正人の誕生

「ベルクリフさん、大丈夫ですかっ⁈」

俺の近くで司祭が、名前を呼ぶ声が聞こえた。

それにより、俺は意識が覚醒した。

俺はズキズキと痛む頭を抱えながら起き上がった。

「どれくらい倒れてましたか?」

俺は何があったのかを聞くよりも先に、倒れていた時間を聞いた。

それを聞いた司祭は、少し驚いた顔をしたが、すぐに冷静な顔になって答えてくれた。

「貴方が倒れたのはつい先程ですよ」

この言葉を聞いて、俺はさほど驚愕した。

俺の体感だと、意識が途切れてから1時間以上経過したものだと思っていたからである。

「ありがとうございます。えっと..これで式は終わりですか?」

俺は自分の記憶の3・4割程を占める記憶を取り込んだ事でもあるが、自分が授かった職業の力を試してみたいという好奇心に掻き立てられていた。

「はい...式は終わりました。貴方が授かった職業は<修正人>という特別職です。

私が知らないものなので驚きました。」

司祭は俺の質問を聞いた時は、何故今その質問をするのか?と首を傾げていたが俺が授かった職業と共に答えてくれた。

しかし、俺の記憶にある授かったものは<修正人>以外にも2つある事は言われなかったので、俺は嫌な予感がしたので聞くのはやめる事にした。

「えっと...じゃあ帰りますね。ありがとうございました。」

俺は逃げるように部屋から出ようとする。

「あ..はい。どうぞお帰り下さい。」

司祭は俺の言葉に答えつつ、寂しそうな顔を していた。

そして、俺は教会から出ると、道の反対側にある三年前の火事によって燃えてしまい、今もまだ残されている柵の残骸が目に写った。

俺はそれを見つけては、早速<修正人>の能力を使ってみようと、老人の記憶のとおりに行ってみた。

「修正<エメンダ>」

俺は、柵の残骸に少しだけ手をかざしながらそう唱えると、柵の残骸が眩い光に包まれ、

気付いた時にはそこに火事前の状態の柵が現れた。

俺はその光景を目の当たりにして、三分の恐怖と七分の好奇心に見舞われた。

前任者の意思にも影響され、俺はこの能力を使って世界を修正しようと決意した。

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