第148話 ssa

シャワーで温まる、そのくらいの温度に

ダイヤル設定して


シャボンを洗い流す。


フランス語ならさぼん、だけれども

日本語でシャボン玉、なんて言う


素敵な言葉になったりする。



外来語も、融通無碍に変換してしまうのは

日本語だけだ。



賢い国民だから、簡単に相手に染まったりしない。




民主主義、も。




女神は、シャワーで温まりながら

そんな事を思う。






出雲神は、ひとり、シングルルームで

のんびりと寛いでいた。



もちろん、女神の裸体を想像したりはしない(笑)




人間じゃないから、性そのものがないのだ。





有性生殖がある事自体、いま、人類を

攻撃の機会に晒す理由でもある。


既に、都市生活では不要なものになっているし


人類の多くが、遺伝子を残す為に

生殖を選んでいる訳でもない。



殆ど、性的快楽を麻薬のように楽しんでいるだけだ。





脳の中でドパミンが分泌され、快いので

麻薬、と言っても差し支えない。




ちなみに、雌型の方がその作用が深いので

雄より依存的である。





当然で、そうでないと滅びてしまうからである。





ところが、人類は殖えすぎているのに

なぜか発情期が無くなってしまったから



始終、ひとは発情し



従って、生殖の機会を求めて

攻撃性が増える訳、である。





「日本でも、奥ゆかしい女性はまだいるがな」と、出雲神は思う。



そうでない女たちが、欲求不満のはけ口に

子供や弱いものイジメをしたりする例は

やっぱり多いかな、と(笑)


神様は苦笑い。




「まあ、そういう魂は地獄に堕ちるがな」と


笑いながら。

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