第147話 erysipelas

その、シャワールームは6分、お湯が出る。


でも、断続的に6分なので



実際には、長い時間使って居られる


とはいえ、寒い時期には「暖房が必要ね」と


どことなく寒い、ステンレスのシャワールームを見回しながら


シャボンを、スポンジで肩から塗りはじめた。



バスタブのないスタイルは、まあ揺れる列車だから仕方ないけれど




どこかに掴まらないと、倒れるほど

揺れる訳でもない。




レールの響きを感じながら、バスタブに

浸かれれば豪華な感じもするが



そこはやはりビジネスライクな列車である。




効率的な、ある種の素っ気なさもある(笑)。





効率的、は、よい事だけれども




非効率だからと言って悪い訳でもないし


効率的だから偉い訳でもない。




そういう平等主義は、フランスのような

文化先進国のひとはよくわかっている。それで


さっき女神は「フランスだったら、あんなかわいそうな事はおこらない」と、鉄道青年の

追い詰められかたと嘆いたのだった。



日本は、いくぶん文化後進国(笑)だから


人間の優劣、なんて決められないものを


単純に、効率で決めたりする。





オリンピック柔道で金メダルを取ったから

後輩の女子選手を凌辱していい(笑)とか




そういう不気味な差別主義が蔓延っても

正そうとしない、変な国であったりもする。



なので、鉄道青年のように


かわいそうに自信を無くしたりするし




売れなくなったミュージシャンが、麻薬に走ったりしても

誰も止めなかったりする。




それは、放任主義なんだろうけれども


フランスから見ると、文化後進国と

見えたりもする。


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