第141話 rye

「これは、生物的な理由じゃな」と

めぐの国の神様も、先行実験をした

経験からも(笑)そう思った。



鉄道好き青年は、もともと

国鉄に入りたかった。


でも、心ない父母の中傷、例えば

学歴が低いと、カッコ悪いとか


どこかの親戚は、エリートサラリーマンだとか




そんな理由で、夢を踏みにじられて


鉄道好き青年は、心の行き場をなくして


もう、やけにになっていた。



唯一、旅路にある時だけ

安らげるのは

そこが、父母の声が聞こえないところだからだ。




そんな父母も、実は社会に苛まされているから

子供に八つ当たりしてしまう、弱い人間だ。



暮らしのために働く、そのせいで、

無理な仕事をしたりして。


自然な心を失ってしまったりして。






でも、それは嘘だ。



貧乏だったら、物質がなかったら

弱い者イジメをしていい、と言うのはおかしい。



それなら、松下幸之助は?井深大は?



彼らは物のない時の人である。


彼らには理念があったから、行動を起こした。




イジメ、なんてくだらない事をしても

何も解決にならないし



そんな事をする暇はなかったんだ。






人間は、行動を野生でした頃の

神経回路のままだから


常に、敵を想定して動いている。



つまり、ノルアドレナリンが満ちているので

攻撃対象がないのに、行動力だけが余ってしまう。




そこで、先例に上げたように

コンピュータに例えれば、計算を繰り返す事で


ノイズを無くす。




鉄道好き青年にとって、それは目的意識だったし


松下や井深にとっては、物作りだった。






今、暇な人達(笑)の

神経回路を少し休ませるのも

名案である。



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