第109話 chino

「つまり、進化、人間と言う動物が

都市社会なんてものに適応出来ないから

行動力が余ってしまう。それだけの事さ」

と、ドイツの神様は進化生物学的に言う。


元々、自然環境で外敵から身を守る為の

攻撃性だった。



人間は、天敵がいない環境なので

それに適応すれば良かったのに



人間同士で争いあうような行動を選んでしまった

愚かな種と、そうでない種に分かれたのだろう、と。



つまり、抑止を計るのは論理的に正しい。







「日本でも今、金融緩和、などといっとるが

ほとんど失敗している。賢い日本人は

金がないから使わないんじゃない。先の見通しがないから使わないだけだ」と、出雲神も言う。





元々、日本国内の経済に外国の意思を

反映させる必要などなかったのに



外国人投資家が介入しやすいように、当時の

政府が出資法を変えた。



それまでの日本は、誰でも安定した

終身雇用の下に生きていられたから


安心して無駄遣いもできた。



だから、経済も潤っていた。




例に挙げたSONYで言えば、創業者は



「壊れた時、修理をしっかりすれば

それで、SONYを信頼してもらえる」と


それが、モノ作りの心として


コストを度外視して、全国にサービスステーションを作った。





ある、雑誌記者が取材の直前に

SONYのテープレコーダーを壊した。





慌てて、ホテルの地下にあるSONYの店に駆け込むと



展示品を貸してくれて、代金も取らなかった。




そんな話は、SONYじゃ当たり前だった。





ホンダもそうだった。




全国にサービスファクトリーを作って、壊れる機械のメンテナンスにお金を掛けた。





でも。





それが、外国人の株式投資家の意向を気にするような法改正の後は。




SONYもホンダも、サービスができなくなった。



それを無駄だと、投資家が言うからだ。



投資家と言うのは、自分の儲けしか考えないからだな。




壊れたら直せない。それじゃあ、SONYでも

ホンダでも

ない。




使い捨てなら安い方がいいし、持つ喜びも得られない。




モノを持つってのは、モノを作ったひとの

心意気を感じるものだ。



日本人は、もともとスピリットを持っている。



でも、居場所がない。





SONYも、外国人の社長が来て

みんな壊して行った。



全て、外国人投資家の手先になった

日本の政治家のせい、で




当時の日本の

政治家のリーダー、その孫が

アメリカの投資会社にいた、って話は

有名だ。






そういう風に、日本がダメになったのは

みんな、攻撃性のせいだろう。






その孫嫁が、過剰な攻撃性のせいで

お正月にスキャンダルを起こしたりしたので

有名になったのだがね(笑)。




攻撃性、ってのは不幸を呼ぶのだ」と


やや皮相的に、出雲神は述べる。


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