第38話  fugitive



fugitive

「こんなに素晴らしいレールウエイがあるのにな、ジャパニーズは。」と、アメリカンの神様。



「国鉄のままでは、できなかったのかしら」と

フランスの女神。






それが、生き物の怖いところ。

現場の職員は、昔も今も変わらないけれど


国鉄が、国営組織であるが故に

楽して生きようとする、人々が

それに群がる。



それが、国の財源を食って行ったので

国から切り離すと、途端に

利益が出る。



その代わり、鉄道の利用者がお金を

多く払う。




それで利益が出るのは当然である。




それまで、ジャパニーズの社会が

発展途上だった時は



鉄道輸送で、国を発展させる事が

第一だった。




そのコストを国が払っていた。


そういう事である。





郵便はちょっと違っていて


国民からお金を預けて貰って、それを原資にして


お金を、例えば公共のために使った。




それでうまく行っていたのだが


やっぱり、お金がたくさん集まるところには

楽したい人々が群がる。






両方に共通するのは、つまり





欲望の過剰な人々が、社会をダメにしていった。




そういう事で。




それで、ジャパニーズは国鉄を民営化して

郵便局も民営化した。



それを、外国人の欲望が狙っている。




めぐの国の神様が、憂いている先にあるものが

ジャパニーズの現状である。



Richard Tee

めぐは、もう一度眠って

リサの夢と一緒に バンドしようかと思った。


でも、リサは起きだしてしまっていたので



(笑)


めぐはひとり、夢の中を漂っている。



そのうち、ゆらゆらと



どこかの、ミュージカルスタジオのようなところにたどり着いた。




コンボの4人は、ギター、ドラム、ピアノ、ベース。




ドラムは白人の大男で、カーリーヘアのブロンド。




スティックを4本持って、重いサウンドを

叩く。




それは、Take the "A" train。



タイトなドラムに、ピアノが絡む。



ピアノは、太った黒人で



やっぱりカーリーの黒い髪。



両手を大きく拡げて、ビートを叩くように



メロディー。



かと思うと、軽やかな風のようなオブリ。






めぐは、、圧倒された。



それは、R&B。




本物の音楽って、こんなものだったのかしらって

めぐは思った。



自由な気持ちになれる。





自分たちが感じていた、ロックの開放感とは

少し違う。




でも、素敵なサウンド。


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