第39話  A Remark You Made


A Remark You Made

その音楽は、もちろんめぐの

生まれるずーーっ前の

ニューヨークの片隅で、輝いていた音楽。



もう、、ピアノのリチャードも

天国のひと。



そのことを、めぐ自身も気づいていないのに


でも、飛んでしまったのは?



そう、天国に境界なんてないのだし




誰でも、心の中に天国がある。



その天国を思い出すきっかけが、めぐに

とっては音楽だったりするのだろう。



リサも、そうなのかな。



ただの音の重なりが、響きが。




どうしてこんなに美しいのだろうと

めぐは思う。



ロックギターの、凛々しさとは

また、違った天国だったり。




時々、ここへ来ていい?と



めぐは、リチャードや、スティーヴ、エリックに尋ねて見ると



みんな、楽しそうに演奏しながら頷くのだ。




いつになったら、あんなふうに

心を音に乗せて、楽器を弾けるのかな、なんて

めぐは、ふと思う。





そんなふうに、地上を思うと

瞬間に、心は地上にもどって


夢は醒めてしまうのだ。


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