第2輪 私は常識人だが常識人じゃない!

え...?


「極刑とは...ホントに気に入られたようで」

「では、任せたぞ」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ここが...魔王の部屋...

豪華...でも、うざくない...程よいくらいの豪華さ...


「失礼いたします、お飲み物をご用意いたしました」

「あ、はい」


紅茶...香りからしてアールグレイかな?

いや、先ず、この世界にアールグレイあるの?


「アールグレイです」


あ、あったっぽい

...

うん、美味しい

食レポ?そんなの私には無理

さて、私はこの世界について殆ど知らないから...


「すいません」

「はい、なんでしょうか」

「私、人魔なので殆ど何も教えられてこなかったので基本的な知識を教えてもらってもいいですか?」

「わかりました、先ず、―――」


簡単にまとめつつ、神様の話と同じのを抜くとこう


・女尊男卑

・人間がいきなり魔族を襲ってきた

・おそらく人間の国では魔族や亜人を邪の者としてる

・基本的に魔族は防戦している

・人間は絶対に強力なスキルを持っている勇者を召喚している


人間の自己満足じゃないこれ?

多分、勇者も私と同じ日本人

日本人じゃなくても地球の人

で、その勇者には「魔王により人間の存亡がかかっている」やらなんやら言うんでしょ?

とんでもない程に自己満...

因みに日付とかも教えてもらった

先ず、季節は


春はだんの季

夏はしょの季

秋はりょうの季

冬はかんの季


で、月は


3月は上暖の月

4月は中暖の月

5月は下暖の月

6月は上暑の月

7月は中暑の月

8月は下暑の月

9月は上凉の月

10月は中凉の月

11月は下凉の月

12月は上寒の月

1月は中寒の月

2月は下寒の月


って感じで、季節に上、中、下を付ける

日は同じだった(閏年含め)

曜日は無いっぽい

それと、1年は上暖の月から始まり、下寒の月で終わるらしい

因みに今日は聖魔歴16年、上凉の月、16日

聖魔歴っていうのは人間と魔人の戦争を開始した年から数えられてる年の数え方

1年の途中からだったらしいけど、そこは令和よろしく、同じように次の年から2年になってる

15年、今年で16年目なのにずっと戦争...

それも魔人は防戦しかしない...

魔人(あと亜人もだけど)にとっては苦痛のほか無いよね...

まぁ、一番辛いのは人魔だろうけど

あ、だけど人魔の親の方が辛いのかな?

人間と魔人の夫婦、カップルは強制的に別れさせられたとか...

酷い話だ


この後もそんなことを考えつつメイドさんと話してた

メイドさんは人魔に対して嫌悪感は全くと言っていいほどないらしく16歳と言ったら物凄く同情してくれた

16歳の人魔は生まれた年に戦争が始まったから...まぁ、お察しの通りってこと

大変だったでしょうにって言われても...ある意味大変だったけど...


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「待たせて悪かったな」

「いえ、大丈夫です」


魔王ってホントに覇気が凄い

なんとか平常を保っていられる程度

メイドさんは部屋を後にすると


「ふぅ、魔王としているのって疲れる...」

「え...」


凄い...すっごい美少女...

というか、覇気が一切感じられなくなった...


「やっぱり」

「何がですか?」

「タメ口でいいよ」

「はい...あ、でもさすがに他の人がいる時は敬語じゃないと...」

「それは仕方ないよ」


ホントにこの子が魔王なの?


「私たち魔人の王、魔王は代々スキル、魔王を受け継いでくの」


スキルなんだ


「絶対に産まれてくる子供、それも女子の内1人だけが受け継ぐ」

「それが...」

「そう、私」

「というか、今の話だと絶対に1人は女子が産まれることに...」

「...そうね」


絶対今何処に気付いてるのって思われた


「それで、先代魔王が死ぬとどんなに若くてもスキルを持ってる子が次の魔王として襲名される」


だからこんな美少女が魔王なのか

って...え?


「気付いた?」


これは...気付かない人なんていないんじゃない?


「私は母様を亡くした、6年前に」

「...」

「正確に言うと...人間に殺された」

「!?」

「それはもう人間が憎くて憎くてたまらない...でも...母様は...憎しみは何も生まない、だからどんなに人間が憎くても復讐なんかしないでって言ったの」


お、重い


「だから私は復讐はしないと母様に誓った、その言葉を聞き笑って間もなく...息を引き取ったの...」

「そんなに暗い話はしないで」

「ごめんね、ホントはもっといい話をしたかったんだけど」

「大丈夫」

「まだ自己紹介してなかったね、私はルナ・レイニー・ナイトメア、17歳、知っての通り現代魔王」


1つ年上だ

私はも言っといた方がいいよね?


「私は百合 椿、16歳、一応、ギフト持ちかな」

「ギフト!?どんなの?」


グイグイ来るな~


「えぇっと、スキルの詳細というか、まぁ、スキルについて詳しく見れるギフト」

「私のもわかる?」

「多分、ステータスを出してくれればわかると思う」

「わかった!ステータス!」


おぉ、出た出た

...

え...

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