第3話 おつな

今日は朝から食べたいものが決まっている。


今週ソファーに座るたびにずっと私と目線を合わせてくる、黄緑色で少し和風な紙の包装箱に入った瓶詰めのツナ

“おつな”を今日こそ胃袋にダイブさせるのだ。


黄緑色の紙の包装箱に入った“おつな”の味はジェノベーゼ。

味によって包まれてる紙の色が違う。


“黄緑は今日の気分によく合うな“


今日はすごくお天気がよくて、でも風は少し冷たくて強い。

桜も散って葉桜になってしまった今の時期になんだかぴったりな気がした。


まずは瓶を開けてみる。

固くて開かず、開けてもらう。


そして、一口スプーンですくって食べてみる。

口の中で広がる、ツナとバジルの風味がたまらなく食欲を誘う。

「はぁーーー。おいしい………」

思わず、口に出ちゃうおいしさ。


一口めだからか塩味をしっかりめに感じたけれど、何かと一緒に食べるならこれくらいがいいのだろうな。


次に何と合わせようかと冷蔵庫を開けてみると

“茹でてからどれだけ放置するつもり?もう、食べなきゃしらないよ!”

とすごい圧をかけてくる茹でたブロッコリーさんと目が合う。



同じ緑同士仲良くしてくれるかな?と思い、ブロッコリーのアフロ部分にツナをのせて大きな口で頬張ってみる。


……………


“めちゃくちゃうまいやないかー!!”

もぐもぐしながら、右手をジタバタさせてしまう。


ペロリとブロッコリーさんを平らげてしまった。

おつなの威力凄まじき。


さて、もう止まらない。


次は超熟のロールをがさごそ。

最近の定番のスプレッタブル+あんこに目もくれず、気持ちはおつな一直線。


側面からナイフで開いて、おつなをぺしぺしのせてみる。

まずは味見。



美味しい……。

美味しいけれど、でも何かもう一味ほしい……。


なんだろうか……。冷蔵庫に戻り、所狭しと並んだ調味料ゾーンからマヨネーズを持ってきてみる。


そして再びパンをぱかっと開いて、その上に少しだけマヨを乗せてみる。もぐもぐもぐ…


(☼ Д ☼) クワッッ!!!


こりゃたまらん!(੭ु ˃̶͈̀ ω ˂̶͈́)੭ु⁾⁾


私の中での正解はこれにちがいない。

そう自画自賛しながらはむはむと食べ続ける。


気付けばパンは3本お腹の中だ。

ほっこりしたところで、テキトーに作ったカフェラテを飲んで一息つく。


今日もしあわせな1日だな、きっと。

そんな日曜日。





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