デートと香月君
俺は土曜日までの時間を有意義に過ごせなかった。俺は担任の先生に、この学校にいる、友達と同じ中学校出身の生徒を教えてくれないかと頼んだ。だが、断られた。プライバシーとか、そういったものもあったかもしれないが、たぶん担任は保護者のことを考えたのだ。確かに教員が協力しにくいものではあるかもしれない。理由探しは保護者に直接頼まれたわけでなく、生徒個人がやっていることだ。
「それに、そういうのは、なんだ……。どうなんだ? そりゃあ、友達だっただろうが」と自殺の理由を探るというのは、少しやり過ぎじゃあないのかと、俺はやんわりと言われた。
俺は分かったふりをした頷きを何度かしながら、失礼しますと職員室を出た。
俺は他のクラスに入って、同じ中学校の人間を知らないかと聞いて回ろうかとも思ったが、やめた。担任が言ったように、それは少しやり過ぎのような気がしてきた。あまりおおげさにもしたくない。学校からの正式な注意なんて受けたくないし、万が一、自殺の理由に辿り着いたら、それが噂として広がる可能性はぐんと高くなる。きっとそれを友達は望んでいない。もちろん彼の家族も、そして俺も望んでいない。
結局、俺は友達から借りた小説を読むことしかできなかった。水曜日に「友情」を読み終え、木曜日からは「若きウェルテルの悩み」を読み始めた。
同時に、なぜ友達がこの本を買い、読んだのか、俺はそれを考えた。
友達は恋愛に悩んでいたのだろうか。
この考えが出てきたのは、土曜日の昼前だった。これらの本を読めば、誰もがそう考えるだろう。
土曜日はどんよりと曇っていて、鳥肌が出るくらい寒かった。今にも雨が降り出しそうだったが、天気予報は傘マークを出していなかった。俺はそれを信じ、傘を持たずに、紅根との待ち合わせ場所である神社へと自転車を漕いで行った。
そして午後四時十五分に、紅根は自転車に乗ってやってきた。私服ではなく制服だった。自転車の前かごには大きなリュックが入っていた。
「部活終わりだから」
俺は頷いた。
紅根の後姿を見ながら、俺は自転車を漕いだ。神社から遠ざかり、ショッピングモールに着くと、俺たちは自転車をそこに停めた。
デートにしては、随分と洒落気のないところだなと思ったが、元々デートではなく友達について話をしたいのだ。邪魔が入らない場所だったらどこでもいい。
ショッピングモールへと入ると、まず本屋に入り、そこを抜けて、レストランやカフェが併設されたフードコートへと出た。ハンバーガーショップ、ラーメン店、焼き肉店、定食屋、様々な店があった。たしかハンバーガーショップとラーメン店はフードコートに入っているには珍しく個人経営だったはずだ。どちらも2号店で、テレビで特集されていた気がする。
フードコートを足早に抜けるとケーキ屋と和菓子屋が並ぶ一角に出た。そこにはカフェがあった。俺は紅根は引き連れられ、カフェへと入った。
昭和からあるような、渋い色合いのテーブルやソファがそこにはあった。壁にはイタリアかフランスか、どこか海外の街が描かれた絵画があった。窓ガラスの一部がステンドグラスになっているところもある。カウンター奥にはマスター。ウェイトレスは一人、飲み物を運んでいた。
「こっち」と紅根は手で俺を招いた。
紅根が座ったのは、窓際の席だった。
できるなら奥の席が良かったのだが。ここじゃあ、誰に見られるか分からない。
「奥の席のほうがいいんじゃないかな」
「ここがいいの」
俺はそう返され、軽く頷いた。彼女がそう言うのなら仕方ない。言葉でも、力でも、俺は彼女に敵いそうにない。
ウェイトレスが来ると、俺はコーヒーを、紅根はストロベリーパフェを頼んだ。
「意外とおじさんなんだね」ウェイトレスが去ると彼女は言った。
君こそ意外に乙女なんだね、と俺は思ったが、もちろん口には出さなかった。俺はただ肩をすくめた。
紅根に対して聞けることはなんだろうかとずっと考えていた。まず友達を知っていたか、話したことがあるか。友達と仲のよかった人を知らないか。香月君というのがいるらしいが、知っているか。知っているのなら、どんなやつなのか教えて欲しい。生前の友達に関して何か気になったことはないか。
俺はそれらの考えを、「あいつのことなんだけど」と切り出した。だが、その考えは次に彼女が発した言葉にすっきりさらわれた。
「彼は私の恋人だったの」
……何だって? 今、彼女は何と言った?
「え?」
「私、彼女なの」
「……それは、あいつの?」
「そう」
俺は驚きを隠せなかった。声もいつもより少し大きくなっていた気がしたし、瞳孔も大きく開いていたような気がする。
そんな話聞いたことがない、と俺は正直に言った。紅根が友達の彼女だなんて思いもしなかったし、そもそも、友達に彼女がいることさえ考えたことがなかった。
紅根はスプーンでストロベリージャムのついたホイップクリームをすくって、口へと運んだ。そして、あの人は色々隠す人だから、と言った。そして、今回のようにね、と付け加えた。
いつから付き合っているんだと俺が聞くと、紅根は少し間を置いて、高校に入るとき、と答えた。
俺はコーヒースプーンをいじりながら考えた。俺が同じ中学校出身の子が同じクラスいるかどうか聞いたとき、友達は紅根をそうだとは言わなかった。その理由は紅根が自分の恋人だと知られると恥ずかしかったからか、またはそれに似た理由のせいだろうか。……だとすると恋愛関係を理由とした自殺は違うか?
「喧嘩か何か」と言ったところで俺はその質問を止め、単刀直入に聞くことにした。「自殺の理由を知っているの?」
紅根は手の動きを止めた。鋭い上目遣いで、こちらを見ている。
「知っていたら、連織君とこんな話していないよ」
久しぶりに名前を同級生に呼ばれた。友達が死んだあの日以来だ。
では喧嘩か何か、もしくは別れ話をしたか、と聞くと、紅根は少し微笑んだ。そして首を横に振り、何も、と答えた。
「つまり、仲は良かったわけだ」
「そう思う」
デートはよくしていたのか。俺は単純な好奇心で聞いた。紅根は日曜日に少しと答え、なぜなら土曜日は部活があったからと教えてくれた。どこに行っていたんだ、と俺が聞くと、色々、と答えた。
そういえば、と俺はデートという言葉で思い出したことを紅根に言った。
「なんであの日、俺にデートしようなんて言ったの?」
「だって、教室に野球部がいたでしょ」
俺は頷き、だからどうしたんだ、という顔を作った。
「私も彼が死を選んだ理由を知りたいけど、あまり大げさにはしたくないの。もしそれが分かったとき、それが広まるのだけは嫌。だからデートという言葉でカモフラージュしたの。高校生って色恋沙汰が好きでしょ?」
俺は頷き、コーヒーを一口飲んだ。
「……あと、彼が自殺したと噂を流したのは私」
もう一口飲もうと口に持っていったカップを俺は宙に止め、戻した。
俺が紅根を見ると、彼女と視線があった。
どうしてだと思う、と彼女は聞いてきた。俺は少し考え、誰か理由を知っている人がいないか知りたかったからかな、と答えてみた。
だが紅根は、ううん、と首を振った。
「私、部活があるから、誰か私の代わりに理由を調べてくれる人がいないかと思っていたの。そう思って噂をソフトボール部の部員に流したの。そうして、しばらく待っていたら連織君がやってきたってわけ」
つまり、俺は紅根の手のひらの上にいたってことだ。
「ううん。実は、誰も調べないだろうと思っていたの。だから連織君がやってくるとは思っていなかった。……本当に友達だったんだね」
本当に友達。俺はコーヒーを飲みながら頷いてみたが、俺が友達の、もしくは友達が俺の本当の友達とは思えなかった。なぜなら友達は、自殺をしようと思うほどの苦しみを、俺に相談してくれなかったからだ。
「私も調べようと思ったんだけど、部活もあるし、色々とね……。でも、手助けはしたいの。だから、ここに連れてきたの」
その言葉を聞いて、俺は店内を見回してみた。紅根はなぜこの場所を選んだのだろうか。
そっちじゃない、と、紅根はガラス越しにさっき歩いてきた通路を指差した。
「香月君がハンバーガー屋さんでアルバイトしてるから」
香月君。中学時代に仲の良かった友達か。
「彼のアルバイトが終わるのは5時。従業員入口から、ここの前を通って、駐輪場へ行くの」
「なんで知ってるの?」
「土曜日、部活が終わったら、私、いつもここに来るの。そのとき、偶然、香月君がハンバーガー屋さんにいるのを知ってね」
俺は左手につけていた腕時計を見た。午後4時50分。
彼がここを通ったら教えてあげる、と紅根は言った。俺はそれに、ありがとう、と返しながらも、どれが香月君なのかと、頭の中で卒業アルバムの写真を思い出しながら、通路をずっと見ていた。
結局、香月君を見つけられないまま、5時になった。カフェには、少しずつ食欲をそそるにおいが充満していった。
紅根は俺と一緒に、前の通路を見ていた。
「で、俺に香月君を紹介してくれるんだよね」
「まさか」紅根は首を振った。「私が関係していたらおかしい気がする」
「なぜ」
「だって……誰も私たちが恋人同士だったとは知らないでしょ。私が行ったら、なんでお前がってなるでしょ、普通」
そうなのか。誰も二人の関係を知らないのか。
「香月君にはその関係を教えないの?」
「できたら秘密にしておきたいの。だから彼にも私たちのことを言わないでね」
俺は頷いたが、ではなぜ、俺には教えてくれたのかと疑問に思った。だが、俺はそのことを聞かなかった。俺が友達だったから、そして自殺の理由を探してくれているから、きっとそんなところなのだろう。
腕時計の長針が一つ、二つと動いていく。香月君はまだ現れない。
「まだかな」
「着替えもあるだろうし、もうちょっとかかるんじゃないかな」
俺は冷めはじめたコーヒーをもう一口飲んで、椅子に深く座った。そして香月君に何を聞こうか考えた。
5時5分になる。まだ来ない。
5時10分になる。まだ来ない。
「本当に来るのか?」
「分かんない。でも、普段通りなら、あ、来た」
紅根がそう言ったとき、高校の制服を着た男子が、俺たちの前を通った。髪は短く、校章のついた鞄を肩にかけている。横顔だけだが、俺が写真で見た香月君に似ている気がする。背もそれほど高くない。
俺は椅子から立ち上がると、カフェの入口へと向かった。後ろで紅根が何か言った気がするが、よく分からなかった。
「香月君」
俺が彼を呼びとめられたのは、本屋に入る前だった。彼は驚いたようにこちらを振り返った。
そして、どうしたのだろうという顔をした。もちろんそれは、呼びとめたのが見たこともない男だったからだろう。
「香月君ですか」俺は念のために聞いた。
「……はい。そうですけど」香月君は不安げに言った。
俺は自分が何者か説明した。自分の名前を言い、友達の名前も出した。そして紅根の名前も出した。そうしないと、俺がなぜ彼をここで捕まえることができたのか説明できないからだ。
香月君は少し驚いた様子だったがきちんと頷いた。
そして俺は、自殺の理由に心当たりがないか聞いた。
香月君は友達が自殺をしたという話を、なんとなく知っていたらしい。それは、噂から知ったと言った。
「メールとかはしていなかったの?」
「ああ、メール……。夏休み頃からしなくなったかな……」
「なんで?」
「いや、なんでって……。まぁ、バイトも忙しかったし、こっちも高校で友達できたりして。疎遠になったって言えばいいのかな。ああ、九月に入って、一回メールしたんだけど、返ってこなかったな」
どんなメールを送ったのか聞くと、香月君は少し首を捻った。
「うーん……。元気か、とかなんとか。そんな感じだったはず。夏休みにメールしなかったから」
俺は頷いた。じゃあ、何か思い当たるふしはないのかなと聞くと、彼は、ない、と短く言った。
「理由は分からないけど、正直驚いた。たぶん、あいつのことを知っているやつなら驚いたんじゃないかな」
「例えば誰?」
「え? 例えばって……。まぁ、同じクラスだったやつとか」
俺は、他に中学時代に仲良かった人っていないかと聞いてみた。
「うーん。分かんないなぁ。クラスが同じだったのは一年のときだけだし」
そのとき、俺は一つ疑問に思ったことを口にした。
「紅根さんとも同じクラスだったの?」
「紅根? ああ、紅根は三年間違うクラスだったよ。ただテニスコートとソフトボール部が練習してるグラウンドが隣同士だったから、たまに話していただけ」
……なるほど。じゃあ、これはどうだろう。
「紅根さんとあいつは二年生のとき、同じクラスだったのかな?」
「え? ああ……どうだろう。違った気がするけど」
もし、それが本当なら、紅根はいつ友達のことを知ったのだろうか。もしくは、いつ友達は紅根のことを知ったのだろうか。もちろん彼らは同じ学年だ。委員会や体育祭、他の行事でいくらでも知り合うことが可能だが……。
ちなみにだけど、と俺は言い、友達に彼女がいたかどうか知っているか、と少しだけ踏み込んだ質問をしてみた。紅根は関係を知られたくないだろうが、この質問なら紅根との関係はばれないだろう。
「……知らないけど。いなかったと思う」
「だよね。そんなそぶりなかったものな」
香月君は、うん、と頷き、少し目を伏せた。
「……でも、好きな人はいた、のかもしれない」
好きな人? 誰だ。いや、紅根か。
「分からない」
では、どうしてそう思ったのか。
香月君は頭を掻いて、うーんと唸った。
「なんとなく……。でも分かんないよ。実際、それが本当なのか」
「それはいつごろ?」
「えーっと。うーん……」香月君は鞄のベルトをタスキ掛けにした。「……中学の三学期ごろかなぁ」
となると、そのときが紅根と仲良くなり始めた頃かな……。
沈黙が数秒間、俺たちの間に生まれた。これ以上、聞くことはないだろうか。まぁ、土曜日のこの時間にここにくれば、また彼には会えるか。
俺はそう思って、礼を言い、香月君と別れた。香月君は本屋へと入っていった。
天気はまだ曇りだろうか。雨が降っていないといいのだが。
俺がカフェに戻ると、紅根は紅茶を新たに頼んでいた。
どうだった? という目線を俺に向けている。相変わらず鋭い目だが、少しセクシーでもある。もちろん女子高生のわりにはだが。
「香月君も知らないみたい」
ふーん、と紅根は深く息を吐いた。
「で、これからどうするつもり?」
君に話を聞くつもりだけど。俺がそう言うと、紅根は少し驚いた。
「これ以上、私に何を聞くの?」
俺は冷めきったコーヒーを見た。細く白い繊維が、ひとつ浮いていた。
「あいつと付き合い始めたのは高校に入る前。じゃあ、あいつと知り合ったのはいつ?」
「一年生のときの、なんていうっけ、4月か5月にみんなで宿泊施設に泊まるやつ」
「ああ、俺もやったよ」だが、その行事がなんというのか俺も思い出せなかった。
「で、みんなでカレー作ってるとき、うちのクラスの班の隣に彼がいたの」
「そこで出会ったと」
紅根はこくりと頷く。
じゃあ、いつ頃から仲良くなり始めたのか、そう聞くと、こちらも紅根はスムーズに答えてくれた。
「三年の三学期くらいかな」
どうして?
「どうしてって」紅根はフフっと笑った。「ばったり会ったから」
どこで?
「外で」
外?
「どこだったか忘れたけど、私が自転車漕いでいて、横断歩道で止まったら、隣にいたのが彼だったっていうだけ。そこで少し話をして、メルアドと電話番号聞いて」
それだけ、と言ったつもりか、紅根は少し間を置いて紅茶を飲んだ。
香月君が、好きな人ができたんじゃないかと考えていた時期と、二人が仲良くなった時期が合う間違いではなさそうだ。
「そういえば、あいつが本読むって知ってた?」
「本?」
「そう。小説」
紅根は首を振った。
「どんな小説?」
「うーん。恋愛とか、そういったやつかなぁ」
「恋愛?」紅根は少し身を乗り出した。「それってどういうの?」
「どういうのって……。読んでみればいい。タイトルは『はつ恋』『友情』『若きウェルテルの悩み』の三冊」
「ふーん……。連織くんは何でそのこと知っているの?」
俺は友達の家に行ったこと、そしてアルバムや、その他何か手掛かりになるものがないか探したことを説明した。
「CDいっぱいあったでしょ」
俺は頷いた。
「部屋も綺麗に片付いてるよね」
「ああ、綺麗だった。紅根は、あいつの部屋に入ったことあるの?」
「こっそりね。親がいないときにあがらせてもらったの」
俺はそのシーンを想像してみた。なかなか青春していたじゃないか。もしかしたら、あいつは意外にも童貞じゃなかったのかもしれない。では、なぜ、死にたくなったのだ。分からない。
「何か他に聞きたいことある?」
紅根はどこからかヘアゴムを取り出して、肩までしかない髪の毛を後ろでまとめ始めた。
「……蔵は見たことある?」
「蔵……」紅根は一度動かしていた手を止めた。
「蔵の中という意味」
「ないよ」そう言うと、手首をひねって、ゴムで髪の毛をまとめ終えた。「連織くんは中見たの?」
見てない、そう俺は答えた。
コーヒーの代金を払い、俺は紅根と別れた。そのとき雨はまだ降っていなかったが、家に着くころに降り始めた。
家に着くと、出来事を日記に書いた。
紅根の視線はセクシーだった。そう書き始め、紅根に連れられてカフェに行ったこと、そして香月君と出会ったことを書いた。それから、紅根と香月君から聞いたことをまとめた。
一番気になったことは、小説のことだった。紅根と付き合っていて、しかも仲が良かったのなら、恋愛絡みの自殺理由ではないはずだ。では、なぜこれら小説を読んだのだろうか。……いや、買っただけかもしれない。では、なぜ買ったのだろう。ただ単に読みたかったから? 読書を始めようと思ったから? もしそうだとしたのなら、俺は他の本を手に取る。この本は古いし、今話題になっているわけでもない。
俺は首を捻った。そして、机の上に置きっぱなしにしていた「若きウェルテルの悩み」に手を伸ばした。だが、続きを読む気はしない。
俺は仕方なくインターネットでそれについて調べることにした。
最初からこうしておけばよかったな。俺はそう思いながら、検索を開始した。
友達が読んでいた小説。『友情』『若きウェルテルの悩み』『はつ恋』。これを全部調べた結果、これら全てに関係しているのは恋愛だった。そしてもっというのなら失恋だ。そして、これらを調べているうちに、気になった言葉が出てきた。
「ウェルテル効果」
俺は、へぇ、と思いながらそう口に出してみた。
ウェルテル効果というのは、簡単にいうと、マスメディアの自殺報道に影響を受けて自殺が増加することだ。これは昔、この「若きウェルテルの悩み」に触発された若者たちが自殺したことからきているものらしい。つまり、これは、読むと死ぬ本とも言えるのではないだろうか。
では、友達もこの本に影響を受けて自殺をしたのだろうか。
それはないだろう。あいつにも悩みはあっただろうが、ウェルテルというやつほどの悩みではない気がする。第一、恋愛の方はうまくいっていたじゃないか。
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