それぞれの青い春

@hasakanata

第1話 

っぷう...  私は手に持っていたコントローラーを机に置き椅子に腰かけた。

パソコンにはchampionという文字、外を見たらもう朝が明けていて明朝にしか聞こえない雀のさえずりさえも聞こえている。また徹夜をしてしまった。

ここ何年かはもはや朝が来る、学校に行く、授業中に寝る、家に帰る、家事をする、部屋にこもる、朝が来る。こんな生活がマンネリ化しているな、と思ってボーっとしていたら一回の部屋から物音がした。降りてみるとそこには保育園に行く前の母が支度をしていた。母は私に気付くと「あら、起こしちゃった?」と言った。私は「いや...徹夜してたから」と答えた。するとすかさず「また徹夜?一体何日目よ....」と私に文句を言った。けれど私も母の文句に対し「母さんも今日は一段と出勤が早いけど、休息は取れてるの?俺、母さんが過労で倒れても助けに行けないからな」と対抗するように言った。すると母は痛いところをつかれた、と言わんばかりの顔をして「このー、生意気な口をききやがって」と言って私の頭をくしゃくしゃにしながら撫でた。そして母は颯爽と玄関に向かい靴を履いていた。そして「戸締りしていくけど気を付けるのよ」と私に向かって告げた、私は「ん...」と不愛想な返事をして母を見送った。何の変哲もないい朝、これが人生で一番若くエンジョイできる時期の私の一日の始まりの序章である。

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