第3話 変化
学校についた俺。真っ先に凛と目が合い、とっさに…。
「おはよう…。」
バカッ!何してんだ俺!こんなの前みたいに「陰キャキモすぎ」って言われるだけだろ!てかどうすんだよこの状況!もうヤダ死にたい。
「おはよう。」
「えぇっ?」
「ハァ?何、文句でもあんの?てか、私もう行くから。」
「あっ、あっ、うん…」
えぇっ?今、絶対「おはよう。」って言ったよね?これは夢ですか?前までは「死ね!」とか「話かけてくんな!」とか、更にひどいときは無視だったあの凛が俺に挨拶してくれた?めちゃ嬉しいのは事実だけど、俺なんかしましたっけ?
《凛からの視点》
もう何なの!?私あんなに昨日ひどいこと言っちゃったのに当たり前のように挨拶してきてんのよ!しかも、昨日康介のやつ屋上で私のこと大好きとか言ってたし。もう、本当に何なの!?私も康介のことは好きだけど…。でも、なぜか強くあったちゃう。私だって昔みたいに戻りたいのに…。でも、私嬉しい。こんな私をまだ好きでいてくれて。
ー一日の授業も終わり放課後ー
今日はなんかいつも以上に疲れたな。凛の様子もなんか変だったし、なんかずっとソワソワしてた。あ、そういえば今日バイトがあったな。でも、なんか行きたくないなー。あー憂鬱ー。まあ行かないと母さん困るし、行くか。
「いってきまーす!」
俺は、母さんにバイトに行くことを伝え、家を出た。
ーバイト先にてー
俺は、ここ「cafe ~彩~」で働いている。ここは俺が住んでいる家から15分くらいのとこにある。学校の近くにもカフェはいくつもあるので、ここに訪れる同じ高校の人はいないのでとても助かっている。
俺は、制服に着替え来店する客に対して注文を取っていった。その時だった。マスクをしていて顔は見えなかったものの、その容姿には何か見覚えがあった。彼女は一番角の席に座わり、荷物を下ろした。5分後、注文が決まったようなので俺は注文を取ろうと彼女のもとに向かった。
「注文はどうなされますか?」
「それじゃあ、サンドイッチとカフェラテを一つって…えっ?康介?」
聞き覚えのある声。そして、彼女の匂いは俺を優しく包み込む。
「かしこまりました。ってんん?もしかしてお前凛なのか?」
「うん…。」
えっ?マジ!?何でここに凛が?確かに友達と話してる時に「最近、カフェ巡りはまってるんだー。」とは言ってたけども、まさかここに来るとは思いもしなかった。とりあえずここは戦略的撤退ッ!
「では、ごゆっくり~。」
俺は、速足でこの場から離れようとしたときだった。
「待って康介。後で話がある。バイト終わったら昔いつも遊んでたあの公園にきて。あと、さっきの注文はなしにしといて。来なかったら怒るからね。」
そう言って凛はこの場から立ち去った。
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