第5話 理久くんの日常②

「え!理久、クラス委員やるの?!」


優里が驚いた顔をして俺に聞いてくる。

それはどういう事ですか?!


「え・・・そんな顔で言われたら僕、傷つく・・・」

「ちがっ?!そうじゃなくて!えっと・・・・理久がやるなんて意外だったから」


優里ちゃーん?全然フォローになってないよ?

「なんて」とか言われちゃったら自信なくなっちゃうよ〜?

俺の席に来た優里と、ふざけたやりとりをしていると、


「あんた、クラス委員に立候補してたわよね?」

「あ、あぁ、立候補したけど・・・」


普段優しい優里ですら「意外」とか言ってきたんだから、こいつにはもっと馬鹿にされるに決まってるな。

なんて思っていたら、


「あっそ、頑張りなさいよ」

「ほへ?」

「なによ、アホみたいな声だして」


アホは余計だろ!


「え、いや、普段は思春期の中学生男子みたいなツンデレかましてるのに、応援してくれるんだな・・・・と思って」

「誰が思春期でツンデレよ!!

まったく、あんたはねぇ・・・・

クラス委員やるんでしょ、応援するのは普通でしょ」


呆れたような態度で渚は言う。

不覚にも少し良いやつだな、なんて思ったりした。


「理久?!私も応援してるからね?!」

「その後フォロー、ちょーっと遅かったな〜」

「後フォローじゃなくて本気で応援してるのに」


マンガみたいに頬を膨らませる優里・・・・うん・・・・かわいい。

じゃなくて!!!

俺は嫌な予感がして時計を見る。


「おい!あとい2分で一限始まるぞ!教室移動だから急がねぇとやばいって!!」

「えっうそ?!」


俺たちは慌てて教室を飛び出した。

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