転生面談ケースⅢ

~転生面談 潮見佳奈~

「お次は……潮見佳奈はんでっか!まあ、あんさんも心残りが仰山あるでしょうな、分かります。」


 私の心内なぞ唯の肴に過ぎないのだろうことが覗い知れる。そんな態度でぬいぐるみもどきは言葉を紡ぐ。


「次生では今生で出来なかった事をやり遂げる!まあ、転生ものの定番でっしゃろ!転生コーディネーター冥利に尽きるってもんですわ。なりたかった自分になるもよし、お姉はんやあの人やらを見つけて仲良く暮らすもよし。

今までの分を取り返すつもりで熱中するのがよろしかろうって!」


「……そうやな。とはいえ、何も起こらずただひたすら時間を浪費するっちゅうのも何やな。退屈限りないやろうから、何かおもろい事でもぶちこんだろうか。」


 愛玩動物?とは相いれぬ邪悪な笑みを浮かべながら続ける。


「取り敢えず公平のため、記憶を取り戻してから8年後に事件を起こす事にしましょうか。ゲームバランスを考えればそんなもんでっしゃろ。」


「ああ!あんさんらは気にせず次の人生を満喫しておればよいさかい!何も考えずにやりたい事に熱中しとればええ。そうでなければ愉しい舞台にはならへんからな!ほな、いってらっしゃい!」

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