第4話中村裕木1

翌朝のHR。昨日の話し合いの結果をグラスに発表しなければならない。


「え~とレクリエーションの内容はドッチボールに決まりました。日程は1週間後の5,6時間目をつかいます」


案の定クラスからはつまらないとかえ~とか高校生になってまでやることかよと否定的な意見が多いようですね。


「委員長誰だよこの案提案したやつ」


中村なかむらそれ聞く……嫌だよ僕ヘイトなんて買いたくないし

それと青山さんも気まずそうにこっちを見てこないでそんな見られると好きになっちゃうよってもうすでに好きなんだよなぁ


「すみません……俺が適当に案出したら通っちゃって」

「あのね大宮くんは悪くないんだよ私達が案を思いつかなかったから」


クラスのヘイトが向かれることはなかったものの不服といった様子で中には最悪~とか声にするやつまでいる。顔に出すくらいなら別に良いけどなんで、声に出すのかな。だんだんムカついてきたんだけど。気づくと僕は教卓を叩いて


「ドッチボール嫌ですか、なら代案出してもらって良いですかね、文句なら誰でも言えますし」


怒りをなるべく抑えるようにおぼつかない笑顔でそう言った。結局案を出すものはいなかった。口を尖らせるだけで。様子を見てた滝沢先生が肩に手をおいて耳元でナイスファイトと言ってくれた

ん?言ってくれたってこの人のせいでドッチボールになったんだよね


「ドッチボールで良いんだな」


反応がなかったことを確認すると


「HRはこれで終わりだ」


***


昼休み。いつものサンドイッチとお茶を手に持っていつものベンチに腰掛ける。


「学級委員も大変だな」

「ほんとだよ、てか中村って亮太と同じサッカー部だよなどんなやつ」

裕木ゆうきはねぇ割と性格キツいぞ。サッカーでもファールとか多いタイプだな」

「上手いの?」

「シュートは俺よりも威力はあるけど、コントロールとかチームプレイに関しては微妙だな特にチームプレイは酷くてチームが負けたりミスしたら気の弱いやつのせいにしてる」


なるほど暴君って感じなのか、苦手だなそうゆうタイプのやつ。けど物怖じしないでものを言えるやつゆえのカリスマ性から周りには取り巻きが集まってるのか。


「亮太今日部活だっけ」

「そうだけど、今日はさらに大会選別に関わる試合があるんだよ」

「見に行ってもいい」

「別に構わないけどどうしたんだ」

「クラスの人のこともっと知ろうかなって」

 

正直に言えば嫌な予感がする。杞憂に終われば良いんだけどね。僕の予感というか空気感はあたることが多いからな。LONEを使って愛衣にその事を伝える


晴人(今日亮太の部活見に行くけどどうする)

愛衣(私も行っていいの?)

晴人(大丈夫だよ)

愛衣(じゃあ見たい!)


「亮太教室戻ろっか」

「おう」


放課後が訪れると部活動が始まり、運動部の声が響きわたり、校舎の中は吹奏楽部の演奏が外まで聞こえてくる。明るくて活発的な地上とは違い空は灰色で埋まり青色は見られない。

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