第137話 ざわつく新入生
オッシャア!黒崎先輩に話しかけれたぞ!これで俺の顔は覚えてもらえただろう!
相澤信二郎は教室の席に着いて1人ニヤニヤしている。
そこへクラスメート達の話し声が聞こえてきた。
「なぁ、見たか?黒崎…全然噂とイメージ違うな…もっとクールで怖ぇ奴かと思ったのによ…ほんとにあれが伝説とまで言われた男なのかな…」
「俺も拍子抜けだよ!なんか優男って感じだよな!」
「もしかして意外とやれるんじゃねぇ?」
「だけど、誰がアイツを取るか決めねぇとな…」
「どうやって決めるよ…」
「そりゃやっぱ…一番強い奴ってことになるだろ!」
「いや待て!先ずは皆で黒崎叩く!それからナンバー1を決めた方が良いんじゃ?」
「最強決めるならサシでアイツと勝負しなきゃ意味ねぇだろ!」
「先ずは一年で一番強い奴選手権やるしかねぇか…」
「それでアイツに勝ったら二番目の奴も挑戦権もらえるシステムの方がわかりやすいしな!」
マジかよ…コイツら正気かよ…あの黒崎先輩に挑もうなんて無謀過ぎるだろ…これは一度黒崎先輩の耳に入れといた方が良さそうだな…
「黒崎先輩カッコいい!読んでくれたかな…」
「あんたなんて書いたの?」
「やだぁ~、言えないよぉ~」
「教えてよ!好きですとか?」
「あんたこそ教えなさいよ!何で人の先に聞こうとするのよ!」
「彼女居なかったら付き合って下さいって…」
「ストレート過ぎ~!」
新入生の女子達の中でも別の意味で黒崎を取ろうと励んでいた。
黒崎先輩、黒崎先輩、黒崎先輩!
相澤信二郎は黒崎の姿を探して走り回っていた。
ドンッ!
信二郎が慌てて廊下を走り、曲がり角で誰がとぶつかってしまった。
相手はビクともせず、信二郎の方がぶっ飛んだ。
「痛ぁ~」
ふと信二郎が見上げると
「あっ!黒崎先輩の側近の人!」
「あ?誰が側近だよ!」
「すみません先輩…黒崎先輩どこですか?」
「お前は…」
信二郎は小山内のがっちりとした身体の感触に感動していた。この人も…俺のこと覚えてくれたかな?
「誰だ?」
「あの…朝挨拶した一年の相澤です!」
「相澤?聞いたことねぇな…」
「あの…まだ名乗って無かったんで…」
「だよなぁ…そりゃお前のこと覚えて無いわな…」
「あの…顔ぐらい覚えて欲しいっす…」
「で?黒ちゃんに何の用だよ」
「あっ!それが…一年の中で黒崎先輩の首取る作戦が、水面下で動いてます!それを伝えようと…」
「フッ…そんなの心配要らねぇ!黒ちゃんの手をわずらわせることなく俺が全員ブッ倒してやらぁ!」
「え?でも…一年とは言え…皆それぞれ名の通った強者揃いっすよ…」
「あ?たかが一年に何でそんなにビビる必要あんだよ!それこそ格の違い知ることになるぞ!」
「でも…」
信二郎は黒崎先輩ならまだしも、この無名の人が大見栄きれるほど甘くないぞ!と心の中で呟いていた。
そして、信二郎は後に小山内の強さに魅了させられることになる…
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