第77話 姉さん矢崎薫
それにしても随分とうちの動きに詳しい奴が居るみたいだな…
うちの主力メンバーを知ってる上にその行動まで的確に掴める…これはもしかして…超能力者の仕業か?んなわけ…
俺は小山内のバカさに看過されてきてるのかも知れない。
「なぁ小山内、何か変だと思わないか?」
「あぁ、俺もそれ思ってた。かおりちゃんが何故俺にキスして来たのか…」
「そこじゃねーよ!」
「あっ、何故俺のテレパシーが通じたのか!そこか?!」
「だから、んなわけ!アイツらやたらこっちの動きに詳しいってとこだよ。妙だと思わないか?お前の側近ばかり立て続けに狙われて、しかも行動だってバレバレみたいだし、もしかして…」
そう言って二人息ピッタリに同時に
「スパイ?」
「テレパシー?」
だ…ダメだこいつ…こいつにはやっぱりついていけない。
二人同時に言ったときスパイシーみたいになっちまったもんな…
お笑いコンビの漫才じゃないんだから、とても相棒としてやってく自信がない…
「なぁ小山内、何か心当たりないか?」
「うーん…超能力かぁ?」
「だからそっちじゃねーんだよ!」
「居るぞ!一人思い当たる奴が…」
「誰だ!」
「一年の時にな、仲間裏切りで締め上げた奴がいてな、そいつはそうとう頭切れる奴なんだよ。喧嘩は全然なんだがあだ名が軍師と言われてた。その名は…」
小山内が少しもったいぶるので俺が先に
「片桐だろ?」
小山内は目玉が飛び出しそうなほど見開いて
「黒ちゃんが超能力者かぁーーーーー!」
「アホか…てことは…そいつが転校してそっちに居るってことか…そりゃあかなり厄介だな…」
「黒ちゃん…お前そっちの世界で食って行けるぞ!俺の思考全て読みやがった。まさかそんな才能が…」
だいたい今の話の流れでこういう展開はお決まりなんだよ…全く疲れるわ…
一方重森薫だが
薫は今は正体を隠しているが実は元レディース総長。訳あって引退…しかしレディースと言いながらも男ヤンキーからも絶大な支持を受ける身であちこちに薫の密偵となる仲間達が居る。薫の情報網は実は探偵以上に幅広く迅速に集めることが出来る。
「もしもし、なるべく早めに情報集めて欲しい、頼むよ」
「わかってます!姉あねさんの為なら俺達は全力で頑張りますよ!」
「ありがとな、いつも悪いけど頼むよ!」
「オッス!」
姉さんと呼ばれるのは実は矢崎透の妹というだけで同級生や、上級生なのだが、兄妹に敬意を払いみんなそう呼んでいた。
矢崎透もまた黒崎天斗以上に裏では名の通った大物だったのだ。この兄妹に助けられた者は実に200は下らない。
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