第31話 親友からの誘い

携帯の画面には…

本田麻衣、理佳子の親友だった。


「あっ、もしもし?理佳子?」


「うん、麻衣どしたの?」


「あのさ、もうすぐ夏休みじゃない。それで夏休み中にどっかドライブ行かない?」


「ドライブって…麻衣…車運転出来ないじゃん」


「そりゃそうよ!私が運転するわけないじゃん。彼が理佳子も誘ったら?ってさ」


本田麻衣の彼氏は20歳。長身で細身のイケメン。爽やかな笑顔でセダンタイプの車を乗っていたのを覚えている。


「んー…別に予定はないと言うか…まだ何も決まって無いからいいよ」


「ほんとは黒崎君に会いに行きたいんだよねぇー?」


からかい気味に言う。


「そりゃ…会いに行きたいよ…でも…黒崎君の気持ちがよくわかんなくて…」


「何かあったの?」


「何も無いけど…って言うか…誰かにプレゼント選んでたとか選んで無いとか…」


「それって…もしかして理佳子に!?」


「相手が誰かはわかんないよ…でも…一度電話かかってきたけど…なんか相手がわからないから恐くて出れなくて…それでそれっきり連絡無くて…」


「だったら何でかけ直さなかったの?」


「だって…」


「そういうところが理佳子ダメなんだよぉ~。いい?そんなに彼を想ってるならちゃんと掴まえなきゃ!プレゼント買ったから理佳子に電話したのかもしれないじゃん!」


「でも…もしそうじゃなかったら…他の誰かにプレゼント選んだんだとしたら…そんなの嫌だもん…」


はぁ~…理佳子はほんとネガティブ…いつもウジウジして受け身ばかりで、それでいて想いは凄く強いのに…


「いい?そんなことばかり言ってたらほんとに他の誰かに取られちゃうよ?いいの?」


「………」


「それじゃあさ、こうしない?今度私の彼に頼んでダブルデートしよ?」


ダ…ダブルデート…たかと君とデート…夢のような時間…したい…たかと君とデートしたい…

でも…たかと君の気持ちがわからない…


「理佳子?聞いてる?」


「うん…聞いてる…」


「何急に乙女みたいな可愛らしい声出してんのよ(笑)」


「………」


「じゃあ彼氏に言っとくから理佳子は必ず黒崎君誘いなよ?わかった?」


「そ…そんなぁ…」


「いいから今から電話して強引に誘いな!いいね!」


「は…はい…」




理佳子~、理佳子~何でまた話し中なんだよぉ~

何でいつもいつも俺が勇気出してかけると話し中なんだよ…

やっぱあれかな?あいつ誰か相手が居るのかな?

誰かもう他に男出来ちゃったのかなぁ…

理佳子~お前は俺のもんだ~!

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