第11話相棒、小山内清(おさないきよし)
あれから数日…誰も俺に話しかけて来ない…
てか、みんな俺から目を反らす…
俺は黄色い女子の声がキャーキャー聞こえてくることを期待をしていたが、理想と現実は全く違った…
男子も女子も俺を敬遠してるかのような態度だ。
ある日俺は気付いた。
重森がクラスメートの誰とも話をしたところを見たことがない。
みんな彼女がこのクラスに存在してないかのように無視している。
俺は清水を思い出した。
清水もほとんどのクラスメートから無視されていた…
こいつらってそういう体質なのか?
そしてある時俺は目撃してしまった。
重森が教室を歩いていると女子が一人重森に足をかけた。重森はつまずいて転びそうになったがそのまま何事も無かったかのように去っていく。ここでもイジメが…
俺はその日の授業が始まる前、まだ担任が教室に入ってくる前に教壇に立ち机を両手で思いっきりバァーン!と叩いた。両手がジンジンするのを必死に堪え
「俺は!イジメが大っ嫌いだ!弱いものイジメが大嫌いだ!」
思いっきり大声で言ってやった…
全員がシーンと静まり返りビビってるように見えた。
当然内心は俺もビビってる…
それからみんな俺に気を遣って話しかけてくるようになった。
凄くぎこちなく…
相変わらず重森はツンとした態度だが…
だけど重森に対しての嫌がらせは完全に無くなった。
俺の勇気ある行動は無駄じゃなかった。
新学期が始まってから一ヶ月もすると徐々にクラスのみんなとも打ち解けるようになっていた。
相変わらず重森を除いては…
そして俺の相棒とも呼べるほど仲がよくなった小山内清(おさないきよし)、これがまためちゃくちゃ喧嘩なれしていて実質この学年の番長的存在だった。
彼のお陰で一気に俺の仲間は増えた。
仲間想いの人徳のある奴だ。
俺はいつも小山内とつるんで行動した。
みんな俺が本物黒崎と思い込んでいるから俺にかなり気を遣ってる感じだが…
ある日…
俺は小山内と二人きりで学校の屋上で校庭を眺めていた。
「あのさぁ…ちょっと相談したいことが…」
珍しく小山内が神妙な面持ちで切り出してきた。
「ん?どした?」
「俺さぁ…実はちょっと気になる娘がいるんだわ…」
「ほうほう」
「誰にも言ってないんだ」
「わかった、誰にも言わん」
「実は俺…重森…………」
えーーーーー!?重森~~~!?
あの何考えてるか全く読めない重森~~~!?
小山内が凄い照れてる…よりによって重森かよぉ~~~
「マジか?」
「うん…」
「ど…どこがいいのさ?」
「ん?………何考えてるかわからん所…」
どういう趣味だよ!
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