第8話姉からの電話
もしもし…手紙読んだぞ!ありがとな…あの…俺も清水のこと…嫌いじゃないよ…もし良かったら…俺と…付き合わねぇか?
なーんてことスラスラ言えたら良いのになぁ…
清水かぁ…もしあいつの気持ち知ってたらもっと違う目で見てたなぁ…色白でわりと可愛くもあったりして…
ハァ~…なかなか電話かける勇気がないなぁ…
こうしてウダウダと考える時間が過ぎていく…
一方清水理佳子は
黒崎君…もし…もしほんとに電話かかってきたらどうしよう…
手紙ありがとな!俺もお前のこと好きだぜ!
俺と付き合ってくれよ!
キャーッ!恥ずかしい!想像しただけで心臓が…
黒崎くーん…逢いたいよぉ~!今すぐ逢いたいよぉ~!
こちらもドキドキタイム中だった…
さっきから何回番号押してはリセットしてんだろ…もう何十回も繰り返してる…
清水に気持ち伝えたいんだけど…あと一歩勇気が…ダメだ…俺はここぞというときダメな男だ…
その時いきなり電話が鳴って俺は飛び上がった。
着信音…
携帯に名前が…
何だよ姉ちゃんかよ…
「もしもし?」
「あぁ天斗~?久しぶり~、そっちは無事引っ越し終わったの?」
3つ上の姉、美香、現在就職して他県で独り暮らしをしている。
「あぁ久しぶり…てか、いきなり電話するからビックリしたわ」
「元気そうで何より、あんた彼女出来たの?」
何だよこのタイミングでそんなこと聞いて来て…
これぞ女の直感ってやつか?違うかぁ…
「いや、彼女って呼べるのは居ないよ…」
「あらそう?…いつもあんたのこと見てた女の子ともう付き合ってんのかと(笑)」
「ハァ!?何それ!そんなの居ないし…」
「ハハハハハッ、まぁあんた鈍いから気付いて無かったよね。たまに街中あんたと歩いてたら妙な視線感じるなぁとか思ったら陰からあんた見てた女の子居たのに…もう転校したからそれも一生気づかないだろうけど(笑)」
おいおいおい!姉ちゃん姉ちゃん姉ちゃん!何でそんなこと今更言うんだよ!それ気付かなかったから今こうしてウダウダ悩んでるんじゃないかよ!
「そんなこと知ってたの?」
「知ってたのってことはあんたも気付いたの?」
「それがさぁ」
姉に一部始終を説明した。
「あんたも女心がわからん奴だねぇ…そんなの電話して欲しいわさ!そんなんだから彼女の一人も出来ないんだわ…」
「そ…そうなんだけどさ…」
「男が何ウジウジしてんのさ!あの娘けっこう可愛かったじゃん。行かない意味がわからん!」
俺は電話を切って携帯を見つめている。
そうだよな…待ってくれてんだよな…ヨシ!待ってろよ清水~!
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