第7話携帯番号!?
引っ越しも終わり落ち着いた。
俺の部屋は二階洋室6畳間。
窓際にベッド、そして机と椅子に本棚…これだけでそこそこ圧迫感がある。
俺は清水からもらった手紙を机の前の壁に貼り付けた。
清水…
ベッドの上で寝っ転がり壁の手紙をボーッと眺めている。
そういや…思い返してみると、たまにふと清水の方向いたときによく目が合ったような気がするな…あのときはただの気のせいかと思ったけど、意外とそうでもなかったのかな…
なんかすげぇ虚しいなぁ…あんな告白されたらあいつのこと気になってしょうがない…
あぁ~清水~~~…清水のいじらしい表情が頭から離れない…
手紙をもう一度手にして読み返してみる。
ん?裏側が透けて一番下の方に何か小さく書いてあるのが見える…
裏返してみると数字が…もしかして…清水の番号か!?
携帯の番号と思われる数字が…ウソでしょ?マジ!?
これ、清水の番号!?
ちょっとドキドキするなぁ~…さりげなくあいつ連絡先教えてくれたのか?
い…いやぁ…話してみてぇなぁ…だけど緊張するな…てか、何を話すんだよ…手紙読んだよ、お前の気持ちわかった、ありがとうって?
いやいやいや…もうこんな遠く離れたし付き合ってくれとか言いにくいしなぁ…でも…清水なら彼女として良いなぁ…
あぁ~もうどうにかしてくれ!このもどかしい気持ち!
俺は携帯を手にしていた…それから10分もこのまま携帯を手に握りしめている…女子か!自分で自分にツッコんでるし…
俺は恐る恐る手紙に書いてある番号を押す。
ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…最後の番号を押した…後は発信ボタンを押すだけ…俺の指が震える…
ハァー~~、ダメだ~~、緊張して押せねぇ…メッチャドキドキするわ…もし清水の声が聞こえたら絶対何も言えねぇよ…無理だ!無理無理無理無理!
あーでもメッチャ清水の声聞きてぇ…好きだったよとか言われてメッチャあいつのこと気になる~…あーもうどうしよう~…
俺はめちゃくちゃ自分自身の心の葛藤に苦しんでいる…
黒崎君…手紙どう思ったかな…私の気持ちなんか伝えて迷惑だったかな…さりげなく私の番号載せたんだけど気付いてもらえたかな…黒崎君…私をどんな風に見てるんだろ…凄く気になる…彼の気持ち見える力が私にあったらなぁ…
黒崎君…大好き…あなたの優しい声も…笑顔も…タカ…
今はもう既に大きくなった猫のタカが
「ミャァオ」
と鳴いて私にすり寄ってきた。
「おいで!」
私は両手を差し出して猫を抱き締めた。
猫のタカは私の顔に自分の顔を擦り寄せて甘えてくる…
黒崎君…タカと接してる時間は彼と繋がってるような感覚になる…
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