第5話告白
清水~、なんでこんなギリギリになってラブレターとか出してくるんだよぉ~
もっと早く言ってくれれば俺だって考えたのによぉ~
清水と登下校一緒に手を繋いで歩いたり、たまにお互いの家で遊んだり、俺の高校生活もっとハッピーだったのによぉ~
おっせぇーよ…
「あの…これ…」
清水が恥ずかしそうに差し出して来たものは…小ぶりの封筒。
俺は…それを受け取る手が…震えている…
「あ…ありがとう…これって?」
「後で見て…それじゃぁね…頑張って…」
そう言ってタタタタタタタタ~ッと走って行ってしまった…
俺は車に乗り込みしばらくその可愛らしい柄の封筒を眺めていた。
開けるのがちょっと恐い…いや恐いというよりは…自分の期待が恐い…これがもしラブレターじゃなかったら…また清水の思わせ振りだったら…見たいような見たくないような…
ええい!俺も男だ!どっちに転んでも良い!ヨシ見よう!
手を震わせながらそっと封筒から手紙を出し開いてみる…
「黒崎君…ありがとう。
黒崎君のお陰で私少しだけ強くなれたような気がする。
いつもいじめられて孤独を感じてたりしたけど、黒崎君が居てくれたお陰でなんか独りじゃ無いんだなって思えて…
だからありがとう…
黒崎君のこと好きだったよ…」
………
好きだったよ…ってオイッ!
………そうだったのか……俺…清水の気持ち全然気付いて無かったんだ……気付いてやれなかったんだ……ちょっと…悪いことしちゃったな…なんかすげぇやっちまった感…
てか、清水~~~!
こういう別れ方勘弁してよぉ~~~!
俺、お前のこと嫌いじゃ無かったんだせぇ~!
お前なら俺全然喜んで受け入れたのによぉ~!
あ~あ…何だかなぁ…
俺は車の中でずっとため息ばかりついていた。
せめて…せめて番号交換だけでもしときゃ良かったな…
「ねぇ理佳子、黒崎君にちゃんと伝えた?」
本田麻衣が清水理佳子に聞いた。
「フフフッ…手紙は渡したよ」
「それだけ?」
「うん…」
「何も言わなかったの?付き合って欲しいとか…」
「そんなこと言えないよ…だって…前に本屋さんでちょっと年上の女の人と居るの見ちゃったもん…」
「そんなの彼女かどうかわかんないじゃん!黒崎君に好きな人とか彼女居るって聞いたこと無いよ?」
「うん…私もそれは聞いたこと無いんだけど…でも、傷付くの嫌だし…」
「まぁ、理佳子なら直接聞けるわけないか…」
「うん…」
「黒崎君のどういうところ好きなの?」
「フフフッ…」
清水理佳子は照れ笑いをしながら話し出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます