第15話
寝つけん。
俺はベッドに入ったはいいがなかなか寝付けないでいた。
そもそも保健室のベッドってこんなに硬かったか?
俺は保健室のベッドでサボるやつがいるので勝手に寝心地がいいのだと勘違いしていたようだ。
なんといってもすこぶるベッドが硬い。家のベッドも硬いがこうなるといかに家のベッドが柔らかかったのかがわかる。
「ふう」
俺はため息をつくとベッドから出て、ソファに座った。
「あら、起きていたの」
「ああ、寝付けなくて・・・ッて、なんでお前はまだ起きているんだ」
「あら、私はショートスリーパーなのよ。だからあと三時間はいつも寝ないわ」
「三時間後って四時だぞ。お前いつも何時に起きるんだよ」
「六時だけれど?」
いや、いくらなんでもショートすぎるだろ。しかも体調を崩さないでいられている。
もうあれだな。そのへんの学者が言っている健康でいたいなら睡眠をしっかり取りましょうとか否定されてるな。
「お前、眠れないのか?」
「はい?あなた私の話を聞いていたのかしら。私はショートスリーパーだと言っているでしょう」
「だからってベッドに入らないと余計に寝れないぞ」
「うるさいわね。本当に寝れなかったら睡眠導入剤を飲むから平気よ」
「でも、それに頼りっきりだとなんかだめだろ」
「あら、じゃああなたがだきまくらにでもなってくれるの?」
「はっ」
俺は彼女の唐突な発言に驚き、ソファごと後ろに飛び跳ねてしまった。
「いいでしょ」
いやよくねえよ。でも彼女に色々言ったのは俺だしな…。
俺は数分考え腹をくくることにした。
「わかった。だけど、十センチは離れるからな」
「ええ、いいわ」
彼女は俺がそう言うと満面の笑みでそう言い、ベッドに入っていった。
俺は彼女に続くようにして重い足を無理やり動かして彼女が入っていったベッドに反対側から入っていった。
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