第14話

「あなたの食欲は見事なものね。もう食べ終わってしまったの」

「うるせー。お前のせいで最近ろくに飯食ってねーんだよ」

俺はすっかりスープまで飲み干してしまったカップ麺のカップを片付けながらそういった。

彼女はまだ黙々と麺をすすっている。もうぬるそうだ。

「お前、それもうぬるいだろ。お湯を少し足そうか」

「いいえ結構よ」

なんだよ。せっかくこっちは親切心で聞いてやったのに。彼女は即答でぶった切って来た。

俺はさっきから彼女のせいで散々なめにあっているというのに聞いてやったんだぞ。

「あっそ。じゃあ俺はもうねみぃから寝るな。こっちのベッド借りるぞ」

俺はそう言ってそそくさとベッドに入りカーテンを締めた。

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