第13話

さっきの彼女の言葉は何だったのだろうか。彼女はそれっきり喋らなくなってしまったので聞きようもない。

俺は保健室の少し消毒液の匂いがするベッドに仰向けになって考えていた。

彼女は今は多分家庭科室にいると思う。さっきからいい匂いがしてきたからだ。

俺はシーツにシワができるのもお構いなしにゴロゴロ転がって遊んでいた。

するとガラッという音がして扉が開いた。俺が扉の方に目をやるとお盆にインスタントラーメンを2つ乗せ、彼女が入ってきた。

「今は非常事態だから学校内に貯蓄してあるものを拝借したわ。よかったら伸びる前に食べちゃって」

そう言って彼女は俺にインスタントラーメンと割り箸を渡してきた。俺が少し戸惑いながら受け取ると、彼女は自分の分を持って一番端っこにある一人用ソファに腰掛けた。

「いただきます」

俺はそう言ってから割り箸を割、麺をすすり始めた。俺は基本的に少食だ。

だが今猛烈に空腹だった。

なので、自分でもびっくりするような速度でどんどん食べ進めていった。

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