第13話
さっきの彼女の言葉は何だったのだろうか。彼女はそれっきり喋らなくなってしまったので聞きようもない。
俺は保健室の少し消毒液の匂いがするベッドに仰向けになって考えていた。
彼女は今は多分家庭科室にいると思う。さっきからいい匂いがしてきたからだ。
俺はシーツにシワができるのもお構いなしにゴロゴロ転がって遊んでいた。
するとガラッという音がして扉が開いた。俺が扉の方に目をやるとお盆にインスタントラーメンを2つ乗せ、彼女が入ってきた。
「今は非常事態だから学校内に貯蓄してあるものを拝借したわ。よかったら伸びる前に食べちゃって」
そう言って彼女は俺にインスタントラーメンと割り箸を渡してきた。俺が少し戸惑いながら受け取ると、彼女は自分の分を持って一番端っこにある一人用ソファに腰掛けた。
「いただきます」
俺はそう言ってから割り箸を割、麺をすすり始めた。俺は基本的に少食だ。
だが今猛烈に空腹だった。
なので、自分でもびっくりするような速度でどんどん食べ進めていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます