第11話
「はあ」
俺はとても深い溜息をついた。すると近くで携帯をいじっていた彼女が睨みつけてきた。
「なにか?」
「だからその顔やめろって」
俺は彼女に強制連行され屋上で記憶をたどっていた。しかしいくら考えても何も思い出せない。
というか、彼女が人違いしているだけで、本当は俺ではないのかも知れない。
「なあ、本当に俺なのか?単に人違いじゃないのか」
「はあ?そんなわけないでしょ。あんたを探すため、いろんな情報をたどってきたんだから」
「なにそれ、ストーカー?こわっ」
「うるせー、早く思い出せ鳥あたま」
俺が大げさに後退すると、消しゴムが飛んできて顔面にクリーンヒットした。
「いってー」
おお、消しゴムって顔面に当たると結構痛いんだな。
頭の中でそう思いながら俺は消しゴムがあたった部分をさすりながら飛んできた消しゴムを拾った。
彼女は今お怒りのようだからあまり刺激しないほうがいい。
そんなことを俺の脳内SNSでつぶやきながら消しゴムを彼女にわたすと、そのことを感知したのか頭を一発殴られた。
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