第7話

ガシャンッ

「痛ってーな。なんなんだよ」

彼女に連れられて屋上へやってきた俺は彼女が急に腕を離したので、おもいっきり背中をフェンスにぶつけてしまった。

しかし彼女は謝る前に昨日のことを聞いてきた。

「君、本当に覚えてないの?」

「だからそう言ってるだろ。お前は日本語が理解できないのか」

本当に全く覚えていない。だから、彼女がなんで俺のことを知っているのかと本当に思っている。

「演技じゃなくて、本当だね」

「だから、さっきからそう言ってるだろ」

今、彼女のことで新しい発見をした。彼女はしつこい。

「あ、いま私のことしつこいって思ったでしょ」

どうやらエスパーでもあるらしい。

「ああ、思ったよ」

ここは正直に言っておいたほうが後々楽だと俺は考えた。女は後で怖いからな。

「ふーん、ま、いいや。それより思い出しなさいよ」

「いや、無茶振りにも程があるだろ」

俺は半分面倒になり、適当にツッコミを入れて話を流そうとした。しかし、彼女の顔を見ると、彼女は本当に思い出してほしそうだった。

「お願い、あと3ヶ月で思い出して。私が…」

「え?」

急に強い風がふき、彼女の声が遮られてしまった。

「ごめん、もう一回言って」

「いや、なんでもない」

何なんだろう。なぜ3ヶ月という期限付きなのだろう。俺は色々と疑問に思ったが、彼女から何も聞かないでオーラが出ていたので、俺は何も聞かずに彼女を背にして屋上から出ていった。

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