第6話
「おい、席につけー」
担任が予鈴が鳴ったというのに席についていない陽キャ共にそう言う。
「はーい」
陽キャ共は悪びれもせずに自分の席につく。
そこからクソめんどくさいSH(ショートホームルーム)が始まった。
俺は、教師の話は全体的に聞かない主義なので、机に突っ伏して目を閉じていた。
「おい、起きろ」
後ろから声がして、俺は勢いよく頭をあげた。
「痛いな。ねえ、何をしているのかな、光流くん」
頭上には運悪く話が長いことで有名な国語教師が立っていた。
「君さ、いつも話聞いてないけど内申とか大丈夫?というか、まず先生の話は聞きなさい。常識だよこれ。だいたい君はさ……………」
俺はうるさい教師の横を通り、教室を出た。後ろから教師の怒鳴り声が聞こえたが、そんなものは無視すればいい。
俺は一切振り向かず、ただ淡々と廊下を歩いた。
「やっぱ俺の日常ってこうじゃないとな」
そうつぶやきながら歩いていると、彼女とはち合わせしてしまった。
しまった。俺はそう思いながらも、教室にはうるさい教師がいて帰れないことを思い出し、そのまま真っすぐ彼女の横を通り過ぎることを決意した。
どうせ彼女も友達といたので、話しかけてくることはないと思った。
しかし、その浅はかな考えは決意後1秒であっさりと裏切られた。
「君、ちょいと待ちたまえ」
彼女はおかしな言葉遣いで俺に話しかけてきたのだ。
「は」
俺は自分の考えとは真逆の異レギュラーが起きたことに混乱しそんな言葉しか返せなかった。
声をかけてきた彼女は一緒にいた友達と別れ、俺の腕を掴んだ。そして、力任せに俺を引っ張り、屋上に連れて行った。
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