第3話
何だったのだろう。
俺はさっきの話が頭から離れないでいた。
ちらりと彼女の方を見ると、何事もなかったかのように新しくできた友達であろう女子と仲良く話しをしていた。
「何だったんだ」
俺はぼそっとつぶやくと、読みかけの本を開き自分の世界に入ってしまった。
「ねえ、起きて」
「ん…」
誰かの声がして体を起こすと彼女がいた。
「随分とうなされてたけど大丈夫?」
どうやら俺は眠ってしまっていたようだ。
しかし、さっき見ていた夢は何だ?
何かの事件現場みたいなところだった。男の人の周りで泣いている人もいた。
俺がそう考えていると、彼女は痺れを切らしたように聞いてきた。
「なんかあった?」
「いや…ない」
「そう」
それだけ言うと彼女は一人で帰ってしまった。
「結局あいつは何で俺を起こしたんだ…」
軽いため息をついて外を見ると、日が沈みかけていた。
「やべっ」
俺は急いで荷物をまとめ、教室を出た。
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