番外編 【カサノヴァの称号は誰の手に】

チョコ・ミントの誘惑 (ヘイクロウ編)

 問三の答え☆『カサノヴァ・フタヒロ君編』のライバル、ヘイクロウ君について、愛宕様より耳より情報を寄せていただきました。

 ヘイクロウ君の秘密を元に、彼の恋愛遍歴も綴ってみたいと思います(^_-)-☆



~以下、愛宕様よりいただいたコメント本文です~



 こう暑いとアイスが食べたくなる。


 ヘイクロウはフードコートの片隅にあるテーブル席に座り、サーティーワンアイスクリームで買ったチョコミント(トリプル)を眺めていた。

 見事な三連の重なりだ。ここの店員は腕が良い。


 そういえば、フタヒロのやつ「三十一人目」とかホザいてたな。


 ヘイクロウは「ふっ」と不敵な笑いを浮かべて、溶け始めたチョコミントに舌を這わせた。


 うん、美味い。やっぱチョコミントは最高だ。

 誰かが「歯磨き粉みたいだ」とか言ってたが、それでいいじゃないか。

 これを食えば、同時に歯磨きを済ませたことになるだろう? これぞ一石二鳥だ。できれば三鳥くらい欲しいものだがな。


 ヘイクロウは「三」という数字に拘りを持っていた。

 三日に生まれた男の宿命ともいえよう。

 験担ぎで、何でも「三」というものを意識していた。

 フタヒロの三十一人目に悔しさは無いと言えば嘘になるが、三十二人目ができたとしても喜ばせてやろうかと思っている。

 しかし、次の三十三人目は譲れない。

 フタヒロより先に掴まなければならないと心に決めた。


「今までは、チョコミントが好きな子ばかりを狙っていたんだが‥‥‥」


 そう呑気に構えている場合ではなさそうだ。

 

 ヘイクロウは一気にチョコミント(トリプル)を頬張り、束の間の昼休憩を終わらせた。



 ☆ここまで☆ 

(執筆者 愛宕平九郎様)


 


~以下ヘイクロウ君編 スタートです(#^.^#)~



 短い昼休憩を終えて帰社すると、新人の桜子ちゃんが駆け寄ってきた。


「愛宕先輩! ちょっとパソコンの操作で分からないところがあるんですけれど、教えていただけないですか?」


 上目遣いで聞きながらも、既に俺の腕を掴んでいる。


「いいよ」

 俺は気安く答えて彼女を席に座らせると、その後ろから寄り添うようにパソコンのマウスに手を伸ばした。

 彼女の背中がキュッとなった後、俺に預けるように力を抜いた。


 彼女は確かベリーベリーストロベリー味が好きだったはずだ。

 俺にはちょっと甘すぎる……だが、やはりチョコミント縛りは外すことにしよう。


 俺はできる限り分かりやすく、手取り足取り説明してあげた。

 ピンクテイストの彼女は、その後もずっと可愛らしく付いて来たので、そのまま夜までお付き合い願うことにした。


 三十一人目、クリア!

 

 お次はコットンキャンディーワンダーランド味好きの綿子ちゃん。

 天然で時折かわいいうっかりミスをかます彼女は、純情でまだまだ幼いから、キスの直前で止めてある。

 刺激が強すぎて、思わぬ化学反応を起こされても困るからな。

 

 チョコミントの制約をはずしたら、あっと言う間に三十二人目もゲットできた。


 俺の実力はこんなもんさ。

 フタヒロの悔しそうな顔を思い浮かべて胸がスッとする。

 まあ、あいつもだてに色男を気取っているわけでは無いはず。

 きっとアッと言う間に追いつかれるだろう。

 

 だが……三十三は俺の好きな数字。

 絶対に譲れない。

 でも単に早いだけじゃ物足りないな。


 三十三人目は、特別な女性ひとでないと……

 簡単に落ちる相手ではだめだ。


 そう、難攻不落な女性ひとを落としてこそ、完璧に特別な数字になるのだから。


 俺はちらりと蒼翠あおみどり課長に目をやった。



      ~『三十三人目の女性ひと』に続く~

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