問三の答え☆ (危険な恋・カサノヴァ=フタヒロ編)

注)こちらはカサノヴァ・フタヒロ君編です(^^♪

  雰囲気を出すために、僕をに変えさせていただいております。

  それから、フタヒロさんとヘイクロウさんのお名前お借りしました。

  リアルのお二人はとても紳士的で素敵な方々ですので、物語の中の人物と混同されないようにしてください。

  先に謝っておきます。

  お二人のパブリックイメージを下げてしまったら、ごめんなさい🙇



「ふぅん、つまり俺と特別になりたいってこと?」

 俺は覗き込むように首を傾げながら、一歩しおりちゃんに近づいた。


 恥じらったように栞ちゃんが目を伏せる。

 ふわりと揺れた髪から甘い香が広がり、俺の鼻孔を擽った。


「ねえ、栞ちゃん?」

「……はい」

「特別な関係って、例えばどんなことするの」

「ふ、二人で飲みに行ったり」

「そんなのは、会社の先輩後輩で普通にあるよね。特別でも何でもないよ」


 俺が更に一歩近づくと、栞ちゃんが逆に一歩下がった。 

 彼女の後ろには給湯室の壁。


 後一歩で追い詰められる。

「他には?」

「な、悩みを聞いてくれたり」

「それも可愛い後輩にはしてあげるよ。ぜーんぜん特別じゃないね」


 俺は更に一歩踏み込む。

 背中の壁の硬さを感じて、栞ちゃんがちょっとビクリとした。


「ねえ、他には?」

「こ、こんな風に近くでお話できること……」

「別に仕事中でも近くで話すよね」


 追い詰められた栞ちゃんが、頬を染める。


 は! 可愛いじゃん!


 俺はタッパを生かして彼女に覆いかぶさるように顔を近づけた。

 ハラリと前髪が落ちてきて、俺の瞳も感情も半分に隠してくれる。


 見上げた栞ちゃんの目が、とろりと潤んできた。


 俺は更に近づいて、紙一枚の距離まで唇を寄せた。


 その時、廊下を話ながら近づいてくる声に気づく。


 びくりとして栞ちゃんが体を捩じった。


 俺はそんな彼女の動きを封じるように壁に手をつく。


 そうして、二人で耳をそばだてながら静止する。

 声はだんだん大きくなり、楽し気な会話が直ぐそこまで迫ってきた。

 

 栞ちゃんの瞳が焦ったように瞬いたが、俺は無視して更に彼女を壁に押し付ける。

 彼女の胸のふくらみが大きく上下して、熱い吐息を漏らさないように唇を噛み締めているのを、俺は前髪の隙間から覗き見ていた。


「こういうのを特別って言うんじゃないかな」


 俺が耳元に囁きかけると、とうとう栞ちゃんが砕け落ちそうになった。

 俺はさっと彼女の腰に手をまわして支える。


 栞ちゃんの瞳が喜びと羞恥心に染まる。

 

 その時、楽し気な笑い声が給湯室へ飛び込んできた。

 

 一瞬体を固くした彼女の緊張が、俺の肌にも伝わってくる。

 

 それはほんの一瞬。

 笑い声は片鱗だけ残して通り過ぎた。

 

 結局彼らは、給湯室に入って来ることも無かったし、給湯室の出来事にも気づいていないようだった。


 徐々に遠ざかる声にほっと息を吐きだした彼女の可愛い唇に、俺はそっと口づけてから彼女を解放した。


 いや、腰に回した手はそのままだ。

 でないと彼女はしゃがみこんでしまうだろう。


「特別ってこういう事だよ。わかった?」

 

 声も無く頷く栞ちゃんの紅色の頬を見ながら、俺は頭の中でカウントした。


 よし! これで三十一人目!


 その時、脳裏に爽やかなイケメンづらが浮かんだ。


 ふっ……

 

 俺は不敵な笑いを浮かべる。


 ヘイクロウ!


 これでまた俺が一歩リードしたな。



 こうして、フタヒロとヘイクロウの、社内ファン争奪戦は続いていくのであった。



           おしまい☆


 フタヒロさん、ヘイクロウさん、ごめんなさい!


☆ 他の方の回答は、こちらからお楽しみください

https://kakuyomu.jp/works/16816452219618132890/episodes/16816452219972029917

 


 

 


 


 

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