MIDDLE
Middle01―第一試験、環城線運行
いよいよ試験当日。冒険者達は緊張した面持ちでキングスフォールにある試験会場へと赴く。
此処で行われる試験に合格すれば、冒険者ギルドとして認められ、晴れて冒険者としての活動を行うことができるようになる。
GM:七人の前に試験官らしき人物がやってきます。
試験官(GM):「既に聞いているとは思うが、魔動列車型冒険者ギルドの運用試験をこれより実施する。まず、君達にはキングスフォールの城壁環状線を計三周してもらう。この際、通常の列車の通りに運行とサービスの提供を行うこと。」
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※城壁環状線
キングスフォール内にある八つの駅を円状に走る路線のこと。通称は環城線。
その名の通り、城壁の上に線路が置かれており、そこを魔動列車が走っている。一般市民が気軽に利用できることから、キングスフォールの民の生活基盤であるとともにキングスフォールという場所の象徴となっている。
ちなみに内回り線と外回り線、さらに近くに東西線もあることから、明らかに実際に存在する路線がモデルとなっている。
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試験官(GM):「周回を終えた後、グランドターミナル駅を出発してマグノア草原国まで赴き、冒険者としての依頼を一つ完遂すること。依頼の詳細についてはピア氏に予め伝えておくが、周回を終えた後に発表される。ここまでで何か質問等はあるか。」
ベルク:「私は大丈夫っすけど……」
タービン:「通常運行ということは、やはり対向車が来たときやトンネルに入る前などに汽笛を鳴らしたりだとか、その辺りはマナー通りに運行はしたほうがいいかい。」
試験官(GM):「そこは君の技術や知識通りで問題はない。採点に入ってくる部分ではあるが。」
エルゼン:「周回中に何らかの要因で下車することがあっても問題ないかな。」
試験官(GM):「制限時間内に試験を完遂すれば問題はないが、周回中に下車するのは現実的に厳しいだろう。自由時間は周回を終えた後やマグノア草原国に到着してからになる。」
エルゼン:「なるほど。」
ドジソン:「そ、その。マグノア草原国に着いてからの冒険者の仕事って何するのさ。」
試験官(GM):「討伐依頼だ。」
テオドール:「冒険者らしくはあるな。」
ドジソン:「ぼ、僕達でもちゃんと倒せる魔物なのかい。」
試験官(GM):「冒険者としての技量を測ることが目的だ。ピア氏と協力して厳選をしたものだから、問題はないだろう。」
ドジソン:ちらっとピアさんの顔を見ます(笑)。
ベルク:笑って親指立ててそう。
試験官(GM):「納得はしたかな。」
ドジソン:「う、うん……」落ち込みながら。
GM:お前は募集要項をちゃんと見たのか。
ドジソン:ぼ、冒険者の仕事なんてよく分かってないから。
シア:私は試験官の話を聞かずにそっぽ向いてる。
GM:お前も何しに来たんだ。
ドジソン:「や、やればいいんだろう。やれば。」
テオドール:「やってもらわないと困るからな。」
GM:二人ほど不安要素しかないやつらがいるけど大丈夫?
タービン:なるようになるでしょ。
ベルク:そうだね、うん。
タービン:なるようになるって便利な言葉だなぁ。
テオドール:(あ、分かりやすいようにワールドマップを準備しておきました。)
試験官(GM):(準備がいい。)
試験官(GM):「では、これより試験を開始する。」と言って懐中時計を見ると、その場から立ち去っていきます。
ピア(GM):「さぁ、始まったわよ。この三日間の成果を発揮して、運行の許可が得られるように皆で頑張りましょう。」
ベルク:「了解っす!」
タービン:「わかったよ。ちなみにこの列車は特急とか快速とか各駅停車とかは決まっているのかな。」
ベルク:「環状線ぐるっと回るんだし、各駅停車じゃないかな。」
エルゼン:「でも、時間制限があるよね。」
ピア(GM):「指定駅に停まればいいから、気にしなくてもいいわ。速度も含めて指示に従ってちょうだい。」
GM:じゃあ、いくぞー。
PL一同:はーい。
【ルール説明】
・運転するPCを一人決定した後、運転に関する一般技能で判定を行う。達成値の1/3だけすごろくのようにグランドターミナル駅から各駅に順番にコマを進める。三周目に再度グランドターミナル駅まで戻ってきた時点で終了。
・コマが停まった駅で乗客が入ってくる。乗客ごとに指定されたサービスを提供するために適した一般技能で判定を行う。達成値によって報酬が増減する。
・コマを進める度に突発のイベントが発生する可能性がある。
GM:細かい部分は後から補足していくよ。じゃあ、タービンさんどうぞ。どうせ他に運転できる人いないだろうからね。
タービン:「出発進行ゥ。」
【判定結果】
タービンが運転師技能で判定。出目5で達成値は11。
1/3して3.6、切り上げで4マス進む。
GM:次にどのような乗客が乗ってきたのかを決定するダイスを振ってもらえるかな。
ベルク:私が振ろう。
GM:ほうほう。判定する一般技能は大工(カーペンター)、料理人(コック)、医者(ドクター)だね。
シア:大工(カーペンター)?
GM:たぶん取ってる人はいなかったはず。でも、それに関連する技能であることを提示してくれれば代用して振ることもできる。例えば、大工(カーペンター)だと彫刻家(スカルプター)とか。もちろん、一致してる一般技能であるほうが望ましいけどね。
テオドール:料理人(コック)は丁度持っているな。
ベルク:医者(ドクター)は難しいな……どうする?
GM:代用の場合は必ずしも一般技能でなくてもいいよ。プリーストやフェアリーテイマーでもいいかな。
ドジソン:ほうほう。じゃあ、僕が振ろう。フェアリーウィッシュは使ってもいいかな。
GM:今回は不許可で。
テオドール:1時間以内じゃないかもしれないからね。
ドジソン:了解。改めて判定だ。
【判定結果】
・テオドール
料理人(コック)で判定。出目4で達成値は8。
→評価:並
・エルゼン
大工(カーペンター)を彫刻家(スカルプター)で代用判定。出目6で達成値9。
→評価:並
・ドジソン
医者(ドクター)をフェアリーテイマーで代用判定。出目10で達成値12。
→評価:良
ドジソン:なぜか出目がいい。
GM:いい感じですね。併せて突発イベントの処理もやろう。どうやら信号での指示が出ているみたいだね。信号士(シグナルマン)かライダー技能で判定できる。
タービン:これは信号士(シグナルマン)でボクが振ろう。
GM:あ、ちなみに一つの判定に対して複数人が判定しても大丈夫だから、テオドールさんも突発イベントに対しては判定してもいいよ。
ドジソン:なるほど。技能はあればあるほど有利なのか。
GM:そういうこと。
【判定結果】
・テオドール
信号士(シグナルマン)で判定。出目10で達成値は12。
・タービン
信号士(シグナルマン)で判定。出目5で達成値は7。
GM:タービンさんが気が付かなかった信号をテオドールさんは見逃しませんでした。
テオドール:これが徹夜の力だ!
GM:じゃあ、タービンさん。コマを進める判定をどうぞ。
タービン:この線路は架線の線路ですかね。
GM:分からないからいいよ、もうそれで(笑)
タービン:「線路よし、ホームよし、架線よし。しゅっぱーつしんこぅ。」
シア:発音よ(笑)。
【判定結果】
タービンが運転師技能で判定。出目6で達成値は12。
1/3して4、切り上げで4マス進む。
GM:これで8だからグランドターミナル駅まで一周して戻ってきたね。大体一通りのルールは分かったかな。
ベルク:大丈夫。
GM:じゃあこのまま進行していこう。
このまま冒険者達は環城線を無事に三周することができ、グランドターミナル駅へと到着する。あまりにも専門外なものを要求された際には苦戦してしまったが、得意分野においてはそれなりに高評価を受けた。ピアも満足したようで、冒険者達に労いの言葉を贈る。
依頼があるとされるマグノア草原国へと向かう為、冒険者達は改めて準備を整えるのだった。
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