Opening02―いざ、面接へ(後)
ベルクとエルゼンの自己紹介が終わり、次は三番目の人物の紹介となる。
ピア(GM):「では、そちらのタビットの方。お名前からお願いできるかしら。」
タービン:「うん、ボクはタービン・テンダー。キングスフォールにあるゾルウォンド駅区ある町工場の息子なんだよ。親父が魔動列車を作っていてね、よく試運転をしていたから運転技術はあるよ。今回は運転手も欲しいとか書いてあったんで、じゃあボクの腕を売ろうかなとここに来たんだよ。」
ピア(GM):「ああ、あのゾルウォンド駅区ね。」
タービン:「けっこう工場で有名でしょ、あそこ。」
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※ゾルウォンド駅区
キングスフォールの環城線南端にあるゾルウォンド駅周辺のこと。魔動機関連の工房が多く立ち並んでいる。詳しくは「ソードワールド2.5サプリメント 鉄道の都キングスフォール」を参照。
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ピア(GM):「確かにそうね。整備で立ち寄ることもあるけど、使える部品はないかとスクラップを漁ることもあったりすることもたまにあるかな。」
タービン:「スクラップはよくあるよね。直した魔動列車の運転もしたことがあるよ。そういったことでマスコンの操作も自信があるし……愛用のやつは四段階マスコンだったけど。」
GM:こまけえな(笑)。
タービン:「普通なら三段階だからね。三段階のは引き加減によって変わるからね。僕はそういったのも出来るよ。」
ピア(GM):「そこまで知識があるなら、機関士としては全く言うことはなさそうね。逆に、冒険者としてはどのような技能を持っているの?」
タービン:「家で魔法は習っていたよ。厳しかったからか、そこそこ覚えたよ(笑)。」
GM:どういう家だよ。
タービン:「なんか魔法を使える運転士になれと言われたね。」
GM:???
エルゼン:「ファイアボールでタービンを動かすんじゃないかな。」
タービン:「そういうのも失われた文明にはあるという話なんだよ。」
ベルク:「あるんすか!?」
タービン:「魔動機文明時代の列車にはね。」
GM:あの、GMのハードルを上げないでください(笑)。
PL一同:(笑)
タービン:どの属性の魔法を入れるかで列車が変わるとか考えてたのになあ。
ドジソン:マギテックじゃダメだったんですか……
テオドール:マギテック便利すぎないか。
タービン:「そういうのがあればいいなっていう夢を持ってるよ。」
◆PC3:キャラクター詳細
【PC名】タービン・テンダー
【種族・生まれ】タビット・魔術師
【年齢・性別】9・男性
【能力値】器用11(1)/敏捷8(1)/筋力13(2)/生命15(2)/知力28+2(4+1)/精神19(3)
【冒険者技能】魔術師(ソーサラー)Lv2/賢者(セージ)Lv1
【戦闘特技】ターゲッティング
【一般技能】機関士(エンジニア)Lv5/坑夫(マイナー)Lv3
信号士(シグナルマン)Lv2
【所持品】メイジスタッフ、スマルティエの叡智の腕輪
【経歴】グランターミナルで迷子になった/グランファナに泊まったことがある
魔動列車を運転したことがある ※キングスフォール経歴
【冒険に出た理由】失われた文明を取り戻すため
ピア(GM):「魔動列車型冒険者ギルドに来た理由としても、運転もできるから合致しているわね。」
タービン:「そうだよ。ボクは運転士にもなりたいからね。」
ピア(GM):「皆さんは他に聞きたいことはあるかしら。」
(特筆すべき質問もなかったので次の人物の面接となった。)
ピア(GM):「では、次の貴女。自己紹介をお願いできるかしら。」
シア:「では……」と言ってピアさんのところに行ってポンッとカードから花を出しますね。
ピア(GM):「あら、ありがとう。」
シア:「改めて。私(わたくし)はシア・アルテミー。手品師よ。まあ、卵なんだけど。」
ピア(GM):「手品師ねぇ。」
シア:「ええ。私は列車の旅をして沢山の人を笑顔にするのが夢なの。この通り、私は何も持っていないけれど、カードから物を作り出すことできる。こういう特技を持っているわ。といっても、この特技自体は特に役に立つことはありませんけど。」とカードから杖を取り出します。
ピア(GM):「また変わった人が入ってきたわね。一応冒険者ギルドとしても活動をしていくけれど、その辺りは大丈夫かしら。」
シア:「私はこのカードで皆さんを支援することができますわ。」
ピア(GM):「機関士としてはどのようなことができるの?」
シア:「私の父が復元師でして、見よう見まねで技術を磨いておりましたので、復元師の技能は持っておりますわよ。」
ピア(GM):「何かを直すってことには期待できそうね。」
シア:「正確には魔動彫刻というのだけど……まあ、列車を直すのにも、使えるでしょう。」
ピア(GM):「期待しているわね。」
◆PC4:キャラクター詳細
【PC名】シア・アルテミー
【種族・生まれ】ドワーフ・神官
【年齢・性別】15・女
【能力値】器用21(3)/敏捷8(1)/筋力12(2)/生命16(2)/知力16(2)/精神24(4)
【冒険者技能】神官(プリースト)Lv2 ※"神の指先"ミルタバル信仰
錬金術師(アルケミスト)Lv1
【戦闘特技】ターゲッティング
【一般技能】復元師(リペアラー)Lv5/手品師(プレスティディジエイター)Lv5
【所持品】ソフトレザー、聖印(カード型)、アルケミーキット(フレーバー改造)
冒険者セット、保存食(1週間分)、マテリアルカードB(赤)×5、
マテリアルカードA(赤)、マテリアルカードB(緑)×5
※全てカード化して持ち歩いている設定
【賦術】ヴォーパルウェポン
【経歴】「負けず嫌い」と評されたことがある/大きな失敗をしたことがある
役に立たない得意技がある
【冒険に出た理由】平和(笑顔)を求めて
ピア(GM):「皆さんは他に聞きたいことはあるかしら。」
ベルク:「そのカードからポンポン出すのはどうやるんすか?」
タービン:「どのようなタネと仕掛けがあるんだい。」
シア:「普通のアルケミーキットから出すだけよ。」
ベルク:「アルケミーキットってそんなことできるんっすか!?」
シア:「できるでしょう?」とクスクス笑います。
GM:まあ普通はできないんだけどさ。
シア:ちなみに今は手に何も持っていません。
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※アルケミーキットの謎
ラクシアの世界には他のゲームにありがちな所持品制限といったものが存在せず、やろうと思えば無限に持ち物を持つことが可能だ。とはいえ、通常のプレイではそういったケースはあまりないのだが。
しかし、アルケミーキットだけは話が別で、何十枚ものマテリアルカードを持ち歩く冒険者は珍しくもない。筆者も数百枚程度のマテリアルカードを持ち歩く冒険者を見たことがある。アルケミーキットとは、ど〇え〇んの四〇元ポ〇ットなのではないかという説もあったりするほどだ。
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ピア(GM):「では、次の方の面接に移りましょうか。」
ドジソン:「ぼ、僕かい。僕はサルドール・ドジソンっていうんだ。冒険者になった理由はほら、ここだと僕みたいなタイプでも受け入れられるって聞いたからさ。うん、それぐらい。」
ピア(GM):「まず、冒険者としての技能を聞きたいのだけど。」
ドジソン:「えっ、ぼ、僕は妖精使いなんだ。よ、妖精が使えるよ。」
ピア(GM):「機関士としては何ができるのかしら。」
ドジソン:「そうだね……僕は元々貴族(ノーブル)なんだけど、あれだ。なんでか分からないけど、どこの道に奈落の魔域(シャロウアビス)が出るか分かるよ。」
ピア(GM):「!?」唐突に思いがけない単語が出てきたぞ。
ドジソン:「こう、場所が勘で分かるんだよ。」
シア:「へー、すごいねー。」
ドジソン:と言いながら手元のランプを必死に押さえています。
GM:ガタガタ震えてそう。
ドジソン:震えてる。
エルゼン:(笑)
GM:何か言いたそうな気がしなくもない。
◆PC5:キャラクター詳細
【PC名】サルドール・ドジソン
【種族・生まれ】人間・冒険者
【年齢・性別】17・男
【能力値】器用7(1)/敏捷9(1)/筋力14(2)/生命13(2)/知力19(3)/精神23(3)
【冒険者技能】妖精使い(フェアリーテイマー)Lv2/ 召異術師(デーモンルーラー)Lv1
【戦闘特技】魔法拡大:数
【一般技能】貴族(ノーブル)Lv3/商人(マーチャント)Lv2
演奏家(ミュージシャン)Lv1
【所持品】妖精使いの宝石(光、火、土、風)、魔神の小型容器、
アウェイクンポーション、コウモリの羽
【経歴】裕福な家で育った/大きな失敗をしたことがある
子供の頃に家出をしたことがある
【冒険に出た理由】故郷にいられなくなって
ドジソン:「ま、まあ、そ、そういうことだから。みんな、よろしく頼むね。」
ベルク:「よろしくっす。」
ピア(GM):「なんでわざわざ魔動列車型冒険者ギルドなんて選んだのかしら。」
ドジソン:「どうしても家に居られない理由ができてね。出来れば遠くに行きたかったから。」
ピア(GM):「訳ありみたいね。そこまでは詮索しないことにするわ。」
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※召異術師
「ソードワールド2.5サプリメント モンストラスロア」にてリニューアルされて登場した魔法使い技能。
ドジソンが持っているランプには召異術師が固有で持っている"扉の小魔"という相棒の魔神が入っており、彼はそれを隠しているのだ。
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ピア(GM):「じゃあ最後は貴方ね。」
テオドール:「俺だな。まずは名前からか。テオドール・ヴァン・ジークフリートだ。五年前までは騎士をやっていたが、とある事情で剣を置いていたんだ。だが、奇妙な予言をされてな。それで、冒険者になることにした。」
ピア(GM):「ということは、剣士さんか何かかな。」
テオドール;「ああ、そうだ。一応装備は拝借してきたが……剣といっても短い剣ぐらいしかなかった。鎧と盾は騎士に支給されているものなので大丈夫だろう。」
ピア(GM):「冒険者としての技量は十分そうね。逆に、機関士としては何か出来そうなことはあるかしら。」
テオドール:「この応募に請けたのは魔動列車が優秀な移動手段であるからだ。世界各地を旅したかったのでな。これは先ほどの予言にも関係のあることだ。だから、正直なところあまり魔動機には詳しくない。」
ピア(GM):「なるほどね。」
テオドール:「だが、五年前の知識が正しければ、この列車というものは人族や蛮族の賊によく襲われると聞く。用心棒や警備などは俺の騎士としての知識が役に立つだろう。」
ピア(GM):「ふむふむ。」
テオドール:「あと、最近はあまり作っていなかったが、騎士をやっていた時代は妹に料理を作っていたことがある。簡単なものぐらいなら作れるだろう。」
GM:何気に料理人(コック)を取っている。
シア:コック……!
GM:やめろ、反応するな。お前、自分の前のキャラクターを思い出してるだけだろ(笑)。
◆PC6:キャラクター詳細
【PC名】テオドール・ヴァン・ジークフリート
【種族・生まれ】人間・傭兵
【年齢・性別】28・男
【能力値】器用18(3)/敏捷10(1)/筋力17(2)/生命21(3)/知力14(2)/精神16(2)
【冒険者技能】戦士(ファイター)Lv2/ 野伏(レンジャー)Lv1
練体師(エンハンサー)Lv1
【戦闘特技】武器習熟A(ソード)
【一般技能】兵士(ソルジャー)Lv5/料理人(コック)Lv3/肉体労働者(レイバー)Lv2
【所持品】ショートソード、スプリントアーマー、タワーシールド
【練技】キャッツアイ
【経歴】投獄されたことがある/奇妙な予言をされたことがある
己に何らかの誓いを立てている
【冒険に出た理由】人々を守るため
ピア(GM):「なるほどね。この応募に請けたのは、色んな場所に旅をしたいからなのね。」
テオドール:「そうだな。とにかく移動距離を重視していた。」
ピア(GM):「色々訳ありみたいね。」
テオドール:「追っている者がいるのでな。時間も経っているし、向こうがどんな移動手段を使っているのか分からない。」
ピア(GM):「まあ、他の乗員に危険が及ばなければ構わないわ。」
テオドール:「そこは自己完結するつもりだ。」
ピア(GM):「さて、これで全員終わったかしら。あとで聞きたいことがあれば、追々個人で話をすればいいでしょう。面接はこれで終わりにするわ。」
ピア(GM):「面接というのはあくまで形式的なもので、急募した上で条件を満たしたのは貴方達だけなのよ。」
エルゼン:「中々ユニークな方々が集まってますけど(笑)。」
ピア(GM):「いやいや。募集した期間も短くて、冒険者としての技能と機関士としての技能を両方持ち合わせている人って中々居ないのよ。六人も集まってくれたのだから、私は運がいいほうだと思うわ。」
テオドール:「確かによく急募で出そうと思ったな……」
ピア(GM):「事情も事情だからね。列車の説明も兼ねて後で説明するわ。」
GM:ピアはこちらよと言って皆さんを案内します。
ベルク:はーい。
タービン:わーい、列車列車。
ドジソン:凄い。ユドナリウムで立体マップ作ったんだ!
GM:……何の話?
ドジソン:いや、リプレイに残るかなって。
PL一同:(笑)
テオドール:捏造しないでくださーい!
エルゼン:嘘つかないで(笑)
シア:そうだった。この後〇〇(筆者名)さんがリプレイを書かないといけないんだった。
テオドール:そうですよ。捏造やめてくださーい。
ベルク:虚偽だ!虚偽掲載だ!
GM:こまけえ詐欺やってんじゃねえよ(笑)
面接も終わり、いよいよ魔動列車と対面する冒険者達。
いよいよ冒険者ギルドとしての活動が始まろうとしていたが、まずやらなければいけないことがあるようで―――
(『Opening03―リモーデットホープ号』に続きます。)
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