OPENING
Opening01―いざ、面接へ(前)
“鉄道の都“キングスフォール。ドーデン地方西部にある『キングスレイ鉄鋼共和国』の首都で、”呪いと祝福の地”アルフレイム大陸における”鉄道の聖地”と呼ばれる大都市である。
その呼び名の所以はアルフレイム大陸有数のハブステーションと都市内鉄道だ。《大破局》後のアルフレイム大陸において、鉄道が日常生活に密着している都市は数少なく、ここまで魔動機文明時代のインフラが現存している都市は極めて稀である。
そんな都市に住んでいた、もしくは何らかの理由でやってきた六人は、都市の各所に張り出されていたチラシを目にする。
【急募!!!】
魔動列車型冒険者ギルドで乗員兼冒険者になってみませんか。
魔動列車に関する知識や技術のある方は大歓迎。
ご興味のある方はまずは面接から。
チラシに興味を惹かれた彼らは、面接を受けるためにチラシに書かれていた場所に早速向かうこととなった。
―――それぞれが求める"希望(Hope)"を見つけるために。
(以降PLでの発言は枠無し、PCでの発言は「」の枠で囲われたものとなります。)
GM:さて、前回のヴァイスシティが終わりまして……改めてSW2.5になってからの初めてのオリジナルシナリオを作りたいなと思いまして、作ったシナリオです。
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※ヴァイスシティ
「ソードワールド2.5サプリメント ヴァイスシティ-悪徳の贄-」のこと。
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GM:シナリオ名は”Hope Discovery”となっています。では、よろしくお願いします。
PL一同:よろしくお願いしまーす!
GM:では、皆さんはとある待合室に並んで座っています。君達と会う予定のギルドマスターはまだ姿を現していないようですが、間もなく登場することでしょう。その間に何かロールプレイがあれば、やっていただいて結構です。
ドジソン:みんな初対面?
GM:事前に組んできた設定を一通り見ましたが、面識があるとは書かれていなかったので、基本的に初対面となります。
ベルク:じゃないかな。
テオドール:なるほど。
タービン:じゃあ煙草吸ってるわ、こっそりと。
ベルク:それこっそりじゃないでしょ(笑)。
シア:カードの裏表を見てます。
GM:(自由だなこいつら……)
GM:まあ、いいや。少しすると、待合室の中に誰かが入ってきます。大きな工具を持ったレプラカーンの女性ですね。君達を見るや否や、「よかった。急募だったけどこれだけの人数が集まったんだ。」と安堵しているようです。皆さんを見回したあとに席に着き、自己紹介を始めます。
ピア(GM):「皆さん。急募だったけれど、私の列車の乗員兼冒険者として立候補してくれてありがとう。私の名前はピアノーズ・フェイスティン。長いので、”ピア”で結構よ。」
「今から一人ずつ面接をさせていただくのだけど、皆さんで仕事をしてもらう可能性が高いから、このまま全員で行わせてもらうわね。ここに応募するまでの経緯なども併せて話してお互いのことを知ってもらい、絆を深めてもらえればと思っているわ。」
「私の父は冒険者で、冒険の過程で魔動列車というものを見つけたの。また、私が子供の頃に父の友人である冒険者にお世話になり、自分も冒険者ギルドを作ってみたいとも思っていたのでこのようなギルドを作ったの。許可はまだ貰ったばかりで、貴方達が初めての冒険者達なんだけどね。」
「私には夢があって、それは父親が見つけた魔動列車を他の色んな方々に見てもらい、更に普段の生活や冒険の中で役に立ててもらうことなの。今後は路線を広げて、更に知名度を上げていきたいと考えているわ。その為に皆さんの力を借りたいの。」
ピア(GM):「面接を始める前に、何か質問等はあるかしら。」
エルゼン「ええっ……?」
ベルク:「うーん、私は特にないっすね。」
タービン:「じゃあボクから一個……」
ピア(GM):「はい、なんでしょう。」
タービン:「列車のマスコンは何段階ありますか!?減速用と加減用は!?」
ピア(GM):「ええっと……基本的には三段階だけど。」
タービン:「なるほど、一般的なやつですね。なるほどなるほど。」
エルゼン:「えっ、何の話してるのこの人達。」
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※マスコン
マスター・コントローラーの略。鉄道車両の出力・速度を遠隔制御するスイッチ装置のこと。
タービンのPLは鉄道車両のことについて事前に勉強してきていた。
ちなみに、タービンの見た目は機関士制帽を被って煙草を咥えたタビットである。
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ドジソン:「僕も分からないよ……」
ベルク:「速度のことじゃないっすかねー。」
ピア(GM):「まあ、それだけの知識があれば、期待してもいいのかな。」
タービン:「まぁね。」
ピア(GM):「他に質問はないかな。」
テオドール:「そうだな。こちらから質問させてもらおう。」
ピア(GM):「はい、なんでしょうか。」
テオドール:「先ほどの話に路線の拡大というものがあったが。とりあえず初回、どこに行くとかは既に決まっているのか。」
ピア(GM):「試験が通れば、まず行ってもらうのは私の故郷ね。そこに列車に必要なパーツを残していて、それを取りに行きたいと思っているのよ。まだ私の故郷には路線が通っていないから。」
テオドール:「なるほど、まずはそこからというわけだな。」
ピア(GM):「もちろん、皆さんが何処かに路線を引きたいというなら、積極的に要望は聞き入れるわね。」
ピア(GM):「では、順番に自己紹介を始めていきましょうか。一番左の方からお願いするわね。」
ベルク:「あ、私っすか。」
ピア(GM):「ええ、何か問題でも。」
ベルク:「いや、問題ないっす。大丈夫っす。」
ピア(GM):「では、お名前のほうから。」
ベルク:「私はベルク・ライスフェルトというっす。えーっと、"砂漠城塞"ラージャハのほうから来たっすよ。」
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※"砂漠城塞"ラージャハ
アルフレイム大陸南西、ブルライト地方にある国家。実力主義な王の性格から、穢れを持つ人族(ナイトメアなど)や人族に与する"名誉蛮族"を重用する珍しい国である。
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ベルク:「ここに応募した理由は……まあ……他に生き方が無かったからですかね。」
GM:いや、まだ若いんだからもうちょっとこう、頑張んなさいよ(笑)。
ベルク:「あ、でも。ちゃんと列車で給仕(ウェイトレス)や旅先案内人(ツアーガイド)はできるっすよ。」
ピア(GM):「ふむふむ、なるほど。」
GM:ちゃんと事前告知通りに一般技能は取ってきてるみたいだね。
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※一般技能
冒険者技能とは別に、キャラクターが持っている一般的な職業に関する技能のこと。有効だと思った際には冒険者技能と同様に判定に使用することができる。
今回のシナリオでは事前に魔動列車内で役に立ちそうな一般技能を取得してほしいとのGMからの要望があった。
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ベルク:「あとは、戦士(ファイター)と森羅導師(ドルイド)の心得もあるっす。よろしくっす。」
ピア(GM):「ほうほう。私が聞きたいことは一通り言ってくれたみたいだね。助かるわ。」
ベルク:「ああ、よかったっす……」
◆PC1:キャラクター詳細
【PC名】ベルク・ライスフェルト
【種族・生まれ】ナイトメア・森羅導師
【年齢・性別】不詳・女性
【能力値】器用18(3)/敏捷16(2)/筋力12(2)/生命16(2)/知力17(2)/精神17(2)
【冒険者技能】戦士(ファイター)Lv2/森羅導師(ドルイド)Lv1
【戦闘特技】武器習熟A(ソード)
【一般技能】絵師(ペインター)Lv4/給仕(ウェイトレス)Lv3
旅先案内人(ツアーガイド)Lv3
【所持品】エストック、クロースアーマー、冒険者セット、着替えセット
保存食(一週間分)
【経歴】物心ついた時には一人だった/故郷の場所を知らない
過去に仕えた主がいた
【冒険に出た理由】他に生き方がなくて
ピア(GM):「この方に他の方からの質問はないかしら。」
ベルク:「お、質問が来るっすか?」
PL一同:…………(悩む)
GM:なんだこの間は(笑)。
ドジソン:「そんなこと言われても……」
テオドール:「俺から質問させてもらおう。君が持っている得物は、剣か?」
ベルク:「あっ、はい。」一応描いて貰った立ち絵だと杖なんですけど、持ってるのはエストックですね。
テオドール:「俺がしばらく表に出ない間に、森羅導師(ドルイド)というものが流行ったらしいが……」
GM:そりゃサプリメント出たの最近だからな(笑)。というか、すっごいメタい発言だな。
テオドール:「あまりそういったものに縁がなくてな。森羅魔法というのは剣を使う魔法なのか。」
GM:(爆笑)
ベルク:「い、いや。違うっすけど……」焦りながら。
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※森羅魔法
「ソードワールド2.5サプリメント モンストラスロア」で新たに登場した魔法使い技能。発売日は2020年10月20日なので、かなり最近に発売されている。
真語魔法や操霊魔法は魔法の発動体という武器を加工したり装飾品などで使用することができるのだが、森羅魔法はスタッフに特殊な加工を施さなければ使用できない。つまり、スタッフを持っていなければ使えないのである。
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ベルク:「えっとその……砂漠で杖を失くしちゃっただけっす。」
テオドール:「砂漠で杖を失くした?」
エルゼン:「じゃあ、魔法使えないんじゃないですか。杖がないと。」
ベルク:「その……お金が入るまで剣で戦わせていただきたいな、と思っている所存です……」
エルゼン:「あっ、頑張ってください。」
GM:他人事みたいに言わないでください(笑)。
テオドール:「やはり他の魔術師と同様に杖を使うのか。済まないな、野暮なことを聞いてしまって。」
ベルク:「いや、誤解するのも仕方ないっすよ。昔からどこかぬけてるって前の主人にも言われたことがあるっすからね。」
ドジソン:「ま、まあこれから一緒にやる仲だしさ。仲良くしようよ、ね。」
ベルク:「そっすね!」
タービン:「そう、仲良くするのは良い事だよ。」煙草ぶはーっ。
ピア(GM):「あの、煙草は控えてもらえると。」
タービン:「あ、駄目だった?ごめんね。」
ピア(GM):「一応換気はしているけれど。」
GM:そもそも面接なんだから煙草を吸うなよ(笑)。
PL一同:(笑)
タービン:いや、今まで触れられなかったから。
GM:いや、あなた今までずっと煙草咥えてたの!?
ベルク:絶対にもう火元が口の近くまで来てるよ(笑)。
エルゼン:なっげえ煙草だなあ。
ピア(GM):「では、次はお隣の方。」
エルゼン:「はい!私はエルゼンと申します。」
エルゼン:「冒険者になろうと思った理由なのですが、少し前に起きた事件を覚えていらっしゃるでしょうか。魔動列車が何者かに奪われてしまうという事件ですね。」
GM:うーん、そうだね。知っているかどうかは『冒険者技能+知力ボーナス』で判定しましょう。
ベルク:ちゃんと知ってるかなあ、この子。
タービン:冒険者技能に知力ね。
シア:真偽判定とチャットパレットが同じだからそれで振るか。
ドジソン:リプレイだとここで『冒険者技能でロールするのってどうやるの?』とか説明が入るよ。
テオドール:え、俺そこから説明しないといけないの!?(※執筆主)
テオドール:一応、俺は知らないことにするか。娑婆に出たばかりだし。
エルゼン:知らないことにするか(笑)。
GM:勝手に知らないことにしても別に構わないけどさ。
【判定結果】
目標値が10だったため、8を出したベルク以外が成功。
テオドールは判定を棄権。
GM:なんか一人だけ知らねえな。いいんだけど。
ベルク:あの……分からないです(笑)。「すいません、エルゼンさん。私分からないっす。」
エルゼン:「知らないなら知らないで大丈夫ですよ。」
GM:少し前に列車ジャックがありまして、列車そのものと載っていた積荷が盗まれてしまうという事件が発生しました。列車は路線上にあるのですぐに捕まるだろうと思われていたのですが、完全に行方を眩ませてしまったのです。ですが、最近になってその列車ジャックをした首謀者(ボス)が捕まったという話を聞いたことがあります。
エルゼン:「実は首謀者として捕まったのが私なんですよね。なんでも、その現場で目撃された人が私そっくりだったみたいで。」
ベルク:「えっ、悪いことしたんですか。」
エルゼン:「いやいや、私じゃないですよ。するわけないじゃないですか。私、キングスフォールから出たこともないですし。」
ピア(GM):「犯罪者は皆口を揃えてそう言うのよね。」
エルゼン:「ええっ!?」
(PC間に動揺が走る。)
テオドール:「待て。世の中には姿形を別の人間に似せるという魔法もあると聞く。その類ではないか。」
ピア(GM):「大丈夫、鎌をかけただけだから。それで、貴女がここに来た理由は?」
エルゼン:「私は本物の首謀者を見つけて罪を晴らさないといけないのです。ですから、世界を股にかけて旅をする冒険者になってこの事件を解決したいというのが私の目的になります。」
ピア(GM):「この魔動列車型冒険者ギルドというのが目的に丁度いいってわけね。」
エルゼン:「ええ。」
ピア(GM):「じゃあ、貴女の冒険者としての技能(スキル)はどのようなものがあるの?」
エルゼン:「先ほど言ったように、この街から出たことはないので腕に自信はないのですが、剣は振るうことはできます。軽い剣ですけどね。」
ピア(GM):「機関士として役に立ちそうな技能は?」
エルゼン:「うーん、やってみないと分かりませんね。文章を書いたり、装飾品を作ったりなどはできます。」
ピア(GM):「なるほど。」
◆PC2:キャラクター詳細
【PC名】エルゼン
【種族・生まれ】リカント・密偵
【年齢・性別】22・女性
【能力値】器用18(3)/敏捷21(3)/筋力19(3)/生命16(2)/知力15(2)/精神13(2)
【冒険者技能】軽戦士(フェンサー)Lv3/斥侯(スカウト)Lv1 ※Lv3はGMにより許可
【戦闘特技】必殺攻撃、両手利き
【一般技能】作家(オーサー)Lv5/彫刻家(スカルプター)Lv3
石工(メーソン)Lv2
【所持品】レイピア×2、ソフトレザー、冒険者セット、救命草×5
魔香草×3
【経歴】両親に愛されて育った/自分にそっくりな人物を知っている
まだ恋をしたことがない
【冒険に出た理由】目指すべき場所がある
ピア(GM):「誰か彼女に質問をしたい方はいるかしら。」
ベルク:「うーん。私は特に。」
テオドール:「そうだな。自分がやっていないというなら、自分を恨んでいる者の心当たりなどはないのか。」
エルゼン:「いえ、それがまったく。事件当時に近くに居た人が、私と同じ顔を見たと証言しているとしか聞いていないですね。」
テオドール:「なるほどな。精々頑張ってくれ。」
楽しく歓談をしながら、内容の濃い面接は続いていく。
(『Opening02―いざ、面接へ(後)』に続きます。)
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