Opening03―リモーデットホープ号

 ピアに連れられた冒険者達はこれから彼らの拠点となる魔動列車と対面する。普段駅で乗っている魔動列車と比べてそれなりに年季の入った外観をしているが、後からある程度整備や改造が施されているようで、新品の部品が各所で見受けられる。


GM:基本的には普通の魔動列車です。特徴として挙げられるのは、一両目がエンジンルームとなっているところですね。SL(蒸気機関車)を想像していただければ結構です。後ろの三両は乗客席となっています。

ピア(GM):「これが私が所持する魔動列車型冒険者ギルド。とりあえず今は"リモーデットホープ号"と名付けているけれど、もし貴方達にいい案があるというなら採用しても構わないわ。」リモーデットホープは直訳すると改造された希望。

シア:「良い名前だと思いますよ。」ニコニコと。

タービン:「列車というのは大体最後に"型"とか"系"とか付くから、そうしたほうがいいんじゃないかな。」

GM:じゃあ、ホープ型?

テオドール:「こちらに名付けのセンスというものは無くてな。好きに決めてもらって構わない。」

エルゼン:「じゃあ前に型式を入れたいわ。」

GM:その辺りは君達に任せるよ。


ピア(GM):「先ほど面接会場でも言った通り、故郷にあるパーツが手に入れば色々と改造しようとは思っているわ。君達の希望通りになるかどうかは分からないけど。」

タービン:なるほどなるほど。

ピア(GM):「改造した列車の運用に関しても試運転という形で許可は取るつもりよ。フリッツ・シュライバーという人物をご存知かしら。」

GM:知っているかどうかは、これも『冒険者技能+知力ボーナス』で判定しましょう。


【判定結果】

目標値が10だったため、8を出したテオドール以外が成功。


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※フリッツ・シュライバー

 「ソードワールド2.5サプリメント 鉄道の都キングスフォール」に掲載されている公式NPC(ノンプレイヤーキャラクター)。詳細はサプリメントを参照。

 レプラカーンの男性で、魔動列車の研究者。"クレイジースピーディー"という名の通り、速さを追求した高速魔動列車の開発に取り組んでおり、「高速魔動列車プロジェクト」の機関部門の主任を務めている。

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エルゼン:つまり暴走列車を作ってる人ってことね。

GM:まあ、半分合ってるんじゃない。なんか既存の魔動機関だと燃費が悪いだとか過剰とか書いてあるし。

タービン:「スピードは最高だよね。やっぱり多段階マスコンにして、炉のほうにくべられる魔晶石もちょっと増やすのもいいよね。」

ピア(GM):「種族が同じということもあって、彼と知り合いなの。今回の件で協力を得る予定にもなっているわ。先ほど言った許可も、彼を通して申請を行う手筈となっているの。だから、改造も出来るようになったら色々と案を考えてみるのも面白いかもね。」

ドジソン:はーい。


ピア(GM):「だけど、申請したからといって試運転の許可が下りるわけではないの。許可を貰うにはちゃんとした試験を行わないといけない。ちょっと急な話になってしまうけれど、その試験が三日後なの。」

ベルク:「三日後っすか!?」

ドジソン:「えっ。は、早くない?」

シア:「へぇー。」

ピア(GM):「試験がある三日後までに、貴方達にはこの列車の運用方法、列車についての知識などを覚えてもらう必要があるわ。」

エルゼン:「ちょっと質問なのですが、線路が引かれていない目的地に新たに線路を引くのは、やはり私達が自力でやらなければいけないのでしょうか。」

ピア(GM):「そうなるわね。どちらにしろ、既に引かれている正規の線路が試運転の許可を取らないと走ることができないから、何処にでも行けるとは言えないわね。何事もまず試験を無事に突破してからよ。」

ドジソン:冒険者許可証ならぬ列車許可証かぁ。

GM:そんなところ。

ピア(GM):「それに、フリッツ・シュライバーが作った新作の試験運用という面も兼ねているの。この列車を動かした時に、安全面などが公式の車両として問題ないかってことね。」

エルゼン:なるほど……


ピア(GM):「そんなわけだから、皆仲良くきっちりと技術や知識を覚えて、三日後の試験を頑張りましょう。」

エルゼン:「えっと、私列車は一度も触ったことがないのでお手柔らかにお願いします。」

ベルク:「大丈夫っすよ。私もっす。」

シア:「列車は近くでは初めて見るわ。」

エルゼン:「初め……て?うーん。」

ドジソン:「大丈夫なの、このメンバーで。」

タービン:「まあ、慣れだよ慣れ。うん。」

シア:「大丈夫、遠くからは見たことあるわ。」

ドジソン:そういう問題なのか……?

テオドール:「基本的な動作さえ教えてもらえれば、何とか短期間で頭に叩き込もう。」

ドジソン:すごい必死。

タービン:「運転席側の操作なら説明できるよ。」

ベルク:「色々教えてほしいっす!」


GM:というわけで、貴方達は三日間様々な技術や自分の能力を活かした運用を身につけていくことになる。

エルゼン:そして三日後。

GM:早い(笑)。

タービン:衝撃的。

テオドール:早すぎるんだよなぁ。

シア:さすがに。

GM:今回は私のオリジナルで色々考えてきたよ。これから三日間、それぞれで一日一回の行動を決めてもらう。行動の内容は三種類ある。


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①指定したPC一人とロールプレイを行う。内容はPC間で自由に決めてもよい。

 この行動を行うことで、戦闘中やその他の判定に割り込んで"声援"を送ることができるようになる。

 "声援"には判定の達成値を+1もしくはダメージに+1する効果がある。出目を見てから使用することができる。

 "声援"はセッション中に一人が個人毎に三回まで取得することができるが、セッション終了時に消滅する。


②魔動列車の運用で必要な技術を磨く。

 この行動を行うことで、一般技能のレベルを向上させることができる。

 新たに一般技能を取得することも可能。

 セッション中に一般技能を使用して判定する機会が多くあり、一般技能のレベルは重要となっている。


③街を散策する。

 大抵の場合は日常イベント表をロールする。場合によってはキングスフォールのものを参照することもある。

 ロールプレイの内容によってはアイテムを入手したり、一般技能のレベルが向上することもある。

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GM:以上の三つとなります。まず三つのうちどれをやるかを選んでいただいて、まとめて処理をする形になるかな。

タービン:誰かに技術を教えるロールプレイをやるか。

ドジソン:声援はどの判定にも載せられるんだよね。

GM:そうですね。

テオドール:技能のレベル上げが無難そうだ。テオドールは真面目に職務をこなすので、そうします。

シア:真面目に技能を習熟させる……?ねえわ、街の散策をします(笑)。


 こうして、六人はそれぞれ三日後に控えた試験に向けて日々邁進していくのであった。


 (次回からそれぞれのPCによる日常パートとなります。)

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