第13話 赤ちゃんの力
次の日六人は紬の部屋に集まった。
咲妃はゾロゾロと顔を揃えた皆んなに驚いて紬、喜代乃を疑視
したが二人は....
二人は、
ブンブンと首を横に振り、
身の潔白を
アピールした。
静かに時間だけ流れてお昼近くなった。
「よし、飯にいくか!
気分かえよう。」
悠人が財布を握りスックとたつ。
「おう‼めしめし、行くぞ‼」
と論も立ち上がる。
すると蒼介が、
「ウウウエ~。
オエエ━━━‼」
と急にトイレに駆け込んだ。
「ン、なんか悪いもの食べたんじゃない?」
喜代乃が悠人をみて、
「悠人は、大丈夫?」
と清代乃は、悠人を心配して
聞いた。
三人は、同じものを居酒屋で
つついたらしく
吐き気は、蒼介だけで
二人には何も異変は無い。
咲妃が胃腸炎?
と蒼介に聞いたが
「一週間前から、吐き気がある。
病院でもみてもらったが
どこも悪くなかった。」
精神的なものだろう、と内科で言
われたが心あたりなかったよ。
「お前達だけで食べてきて
俺は悪いけど寝かしてほしい。
頭も少し痛いし、
気分が悪いんだ。
咲妃もいっておいで
紬、毛布を貸してくれないか?。」
蒼介を見て
「食べれそうなもの買ってくるね。」
そう言って玄関まできたが咲姫は、
「みんなで行ってきて、
私、フルーツサンドイッチ!
蒼介にもお願いね。」
紬も喜代乃もわかったと答え
四人でマンションを出た。
「エエエーッ!マジでっ。」
駅前のカフェで声をあげた。
蒼介さんは、あっさり酢の物
柑橘系の物ばかり食べてるらしい。
「咲姫と、同じゃん。」
ここのマスターとは論も通い始めて
仲良しだ。
人のいい彼は沢山の常連さんを
もっている。
少し白髪の入った短い髪に
黒縁メガネをかけて蝶ネクタイ
黒の長いエプロンを付けて人の良さそうな笑顔に癒され来た人は常連客になる、彼は6人にお冷をだし、オーダーをとる。
紬が、
「今、友だちがへやで寝てて…」
と話し出すとマスターは
「じやあ食べやすいのを
つくろうか?持ち帰りかい?」
と心配そうに聞いてきた。
「咲姫なら分かるけど
蒼介さんまで、まるで悪阻
じゃん。」
「そだね。
二人そろって笑っちゃうわよねー。」
「咲姫は、分かるけど
蒼介さんは、心配だよ。
何だろう?。」
二人の会話を、ききながら
カルボナーラとペペロンチーノ
メンタイコパスタ+2
を四つ持ったマスターが
ポンポンポンポン置いていく。
野菜に囲まれたパスタは、色とり
どりで、とてもおいしそうだ。
マスターが
「もしかして女性の方妊娠
してませんか?」
ゲホゲホゲホ
ゲホゲホゲホ 紬と喜代乃がむせる。
悠人と論が目をパチッと合わせる
音がした。
「マスター会った事無いのに
なぜ分かっちゃったの?」
紬が、不思議そうに訪ねると
喜代乃のパンチがおでこに
「ペチッ。」イタ
と飛んで来た。
「あっ…。」
悠人も論も体の向きを変えシッカリ
と二人を見た。
「あっ、あへへ、えへ。」
清代乃と紬の2人が
カワイコぶっても二人には
通用しなかった。
咲姫の妊娠がバレた。
論も悠人も
「成る程ね!!」
はい、紬と清代乃は、
全部白状しましたよ。
マスターはニコニコしながら
「若いねー、いいねー。」
そう言った。
悠人が、
「さっきの話ですが
なんで分かったんですか?」
マスターはニコニコしながら
話てくれた。
そこでまた悲鳴が、再び上がる
「エエエーッ マジでぇ~!! 」
「クーヴァード症候群??」
「なんですかそれ?」
4人は食い付いたようにマスターの
話を聞いている。
マスターは続けて話てくれた。
「鳥が卵を抱くと言う意味だよ。
夫婦が共同で卵を抱くような事を
言うんだよ。」
「へ、ヘェ~イマイチ
分かりません。」
「つまり男にも悪阻が出る人が
たまにいるんだよ。
私も3人娘がいますが、三回とも
クーヴァード症候群にやられました。
吐き気、めまい、苛々
食欲もなくなるし、つらかった。
だから妻の妊娠は直ぐわかり
ましたよ。
ハハハハハ
四人は手をパンパン叩き
それ、それ、それ、それ、
人差し指をお互いにさしあった。
「悪阻か~、思いつかなかったよ。」
悠人が、腕を組み直しながら呟くと
「イヤアまさしく、
クーヴァード症候群だな。」
四人は、卵サンド
フルーツサンド
トマトタップリナポリタン。
を二人前持ち帰り用に作って貰って
三時間居座ったカフェを出る。
去り際に論が、東京バナ〇をお土産に
マスターに渡した。
彼も大好きらしい。
四人は女の子がぃいとか、
サッカー教えたいとか
男の方が楽しいとか
我が事のょうに喜んだ。❣
パタンとドアが閉まり4人は
昼食に出ていった。
紬の部屋に蒼介の寝息が聞こえる。
きっと自分を探し回って
疲れたんだろうか?
蒼介は軽くいびきをかきだした。
「ごめん、離れるにしても
話合うべきだった。」
蒼介の綺麗な富士額を撫でながら
「女の子だったらこの額似るといい な。」
「男の子だったら、この切れ長の
くっきりした目も素敵だな。
全部蒼介に似たらカッコイいね。」
「うえ~っうえ~つ」
今度は咲姫が、トイレにはしる。
「うげ~、ハアハアハアハア!
げえ﹏っ‼」
すると背中を暖かい手がさすってきた。
「うえ~っうえ~つ、蒼介!」
ハアハアハアハア
ヤッパリ悪阻はきつい。
「大丈夫か?咲姫もどこか悪いのか?」
蒼介の暖かい手と心配している顔が
咲姫の心にしみてきた。
「ウウン!大丈夫
大丈夫よ。」
支えながらソファーによこになる。
跪いて蒼介は寝言の事を謝った。
「朋美は…
つまり、その、」
「元カノなんでしょ。」
「あ、あ、うん。
でももう気持ちは無いんだ。
なんで、名前呼んだかわからない。
あの日朋美の事を聞いて
幸せになってるって…
だから本当に嬉しかったんだ。
よかったなって思ったよ。
本当に、ゴメン。
許せないか?」
咲姫は
「その事はいいの。
もう大丈夫よ。でも別れよう。」
蒼介はうなだれた頭をあげて
「訳を聞かせてくれ、
でないと納得できないよ。
ちゃんと理由を話てくれ。」
しばらく口を閉ざしていた咲姫に
「他に好きな人できた?
おれが…
嫌になったのか?」
咲姫は下を向きながら
「違う。
蒼介を愛してるよ。」
蒼介は振り向いて、
じゃあ何でだよ
なんで側にいないんだ!!
怒り任せにどなった。
咲姫は小さい声で
「あなたは、結婚しないって
子供はまだいらないって言った
でしょ。
だからよ
《《《私は子供がほしいの!!
蒼介の子供が欲しいからよ。》》
つい咲姫も怒鳴り返した。
「えっ!!なに?分からないよ。」
「あなたは、子供まだいらなくて
結婚しなくていい人を探してよ。
それで良いじゃない!
違うの?」
「ハ?!」
「俺が結婚したくないのは
咲姫が、まだ23だからだよ。
まだ遊ばせてあげたいんだ。
旅行連れて行ったり
デートしたり
海外だって連れて行きたい。
まだ若いし、やりたいことある
だろう、そう思うと縛り付けたく
ないんだ。
家事、育児、結婚となれば
家の繋がりもでてくる。
若い咲姫が可哀想だ。
勿論俺は最大限に咲姫を大事にする。
自信はある、しかし咲姫はどうだ、
苗字を変える覚悟はあるのか
結婚ってそう言うもんだろ。」
「あるよ。
蒼介とならある。」
「咲姫…]
「話は終わりだよ。
まだ蒼介には覚悟が見えない。
別れよう。
《ウエエウエエェェェ》」
咲姫は、また洗面所へダッシュ。
背中をさする手はやはり暖かい。
「ウエエェま、迷わないで
惨めになる。
帰って、
じゃなきゃ、私が帰るから…。」
「迷っていない。
いいのか?
30年たった頃、
若くして結婚して損したーとか、
もっといい男いたはずーとか、
だまされたーとか俺のはげた頭
たたいたりしないか?」
急に蒼介に抱き締められギュウギュ
苦しくなった咲姫は蒼介を
突き飛ばす。
蒼介は床に倒れた。
蒼介は唖然!
「咲姫!そんなに嫌なのか?」
ドンと倒れた蒼介は尻餅をついた。
咲姫は気まずそうに唖然として
いる蒼介に小さな声で言った。
「だって赤ちゃん
苦しそうだったから! 」
「・・・赤、赤ちゃん?
まさかオレの?赤ちゃんか?」
蒼介は呆然として聞いて来る。
「うん、ゴメンなさい。」
「私大丈夫、騙されたも、
いい男がいたかも、も、
はげた頭も磨いてあげる。
ペカペカにね。」
突き飛ばされたままの蒼介は
目がいっちゃったまま動かない。
「オーイ!
蒼介!
そうーすーけぇ~。」
「あ、アア、ア?
ゴメン!
赤ちゃんって聞こえたけど?
間違い?
聞き間違い?」
「ううん、2ヶ月だよ。
蒼介パパになるんだよ。
でもパパに無理にはなってくれ
無くていい。
私は覚悟してる。」
「蒼介は間違いじゃないのか?」
咲姫を見つめて確認する。
咲姫は、ブンブンと首を振る。
「あ、あああ、
本当に、本当?」
「ウンウン。」
「パパかア~、おれがあ~♡♡
オヤジになるの?」
暫し一人劇場に入り込み
アレコレ空想してるのか、
ニヤニヤ、ニヤニヤ気持ち悪い。
と思っていると!!
ガバッと飛び起きて、寝ろ寝ろ!!
早く早く
食べたいのない
ほしいものは無い?。
ウワア、ウワアた♡い♡へ~ん♡♩」
スキップしながら蒼介は財布握って
出て行きました。
「は?!!」
以外な蒼介の態度に
今までの悩みは何だったっけ?
蒼介、具合が悪いんじゃなかっ
たっけ?
一人洗面所に残された咲姫はまた
悪阻に襲われていた。
だけどさっきまでの暗い気持ちは
どこえやら。
明るい悪阻生活を送れそうだ‥!!
ワイワイガヤガヤガヤガヤ
「ん?なに?いっぱいいる。」
「そーなの芙美さん来れないって!!。」
[あらら、残念。」
「でも、なんで?」
「お孫さんがお友達連れて
泊まりにくるらしいの…。」
「へーそうなんだ‥!! 」
「あ、朋は立派な腹してんな。」
「もうすぐ8ヶ月だよ。当たり前で
す。」
「これから咲姫共々よろしくな。」
「勿論よ。ね!!微妙かもだけど。」
朋美は、ニッコリと蒼介を見て笑う。
「此方こそ。
また仲良く付き合えるのは
咲姫ちゃんの御陰です。」
蒼介もおどけながら楽しそうに
答える。
「遙、ピーマンキラーイ。」
なんか皆丸く収まったのかな。
また咲姫はグッスリ寝てしまった。
吐き気疲れとでもいうのかな?
あれ?暖かい手がふれる。
蒼介?
三田さんが紬と喜代乃の部屋を
用意してくれて、一晩お世話に
なった。
紬の部屋は蒼介と咲姫を二人きりに
してあげた。
蒼介と咲姫は初めて家族を意識した。
そして一週間後、咲姫と蒼介は
婚姻届を出しました。
お互いの家族も大歓迎で式は
子供が生まれて落ち着いた頃
子連れウエディングだそうな…。
めでたし
めでたし。
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