第11話 妊娠の不安。


三田は同年で同じ大卒だった。

学部が違うとなかなか合わないし

人柄が分から無いものだ。

それに彼は人が良すぎていい奴だった。




誤解を受けるのは、三田も俺も


なかなかNo と言えない

日本人だからだ。

頼まれたら断れ無い。

だから受けなくていい誤解を受ける。


帰ってきた紬を抱きしめる。



「ン、ンンン、どなたでしたっけ?」

紬は相変わらずの塩対応

「紬~イゴメンな。」


俺はしきりに謝ってるのに

ツ━━━━━━━━━ン‼ 

 

でた!!恒例の俺イジメがはじまった。

 とにかく誤解をとくのが、先決!!


「令佳の事だけど‥」



         ジロジロ

  「令佳、? 呼びすて?。

   そんな、仲好し?。」



Дアッ、

「イヤイヤイヤ、令佳 "サン" サンの事だけど‥

 あれは誤解されても仕方ない!」


        ( ̄。 ̄;)ホホウ

       「ゴカイ?とな。」


「確かに婿養子狙われた。

 俺が気づかなかったのは

 馬鹿だった。」


モロ 狙われてたのに 

気付こうよ。



「しかしっ!!

 夜遅くなつたり外泊は全く違う

 理由があるノシ!!。」


         (◎-◎;)ホーホ


「あれは祭りの練習だ。

 九月に行なわれる馬の競争に出るん だ。

     «ふ~ん»


 20~30歳の独身者、しかも男しか

 だめなんだよ。 


 馬借りるのにもお金が

 ン百万出てるんだよ

 年回りで10年に1回その地区に、

 回って来るんだそうだ。



 毎年毎年積立をした、その

地区のプライドなんだよ。

 はした金じゃないし‥


 俺のお客さんから頼まれたんだ

70のお爺ちゃんが頭下げたんだよ

 断れる訳がない!」



 「ふつう、断れないね。」




「 ダロ?な!! な!」



予定してた男が練習で馬から落ちて

骨折し たから、その代わりがみつ

からない‥

とな !!断ったが、祭り関係者引き

連れて支店に来たんだよ。」


        マジ

「祭りって凄くお金が動くんだよ。

ン百万くらい。

子供会、婦人会、老人会

ざっと八百万くらいだ‼

祭り主催者含め弁当、馬、勢子

朝昼晩の弁当も手配

その地区の全員ぶんのハッピ


 しかも大地主とかいっぱい関わっ

ているし地主の多い所の寄付は

凄いんだ、だから

 銀行とも関わりがある。


 わかってくれよ。



俺も頼まれたからには、銀行員の

プライドと責任感を持ってやりたい。

中途半端はオレの性格上出来ない。」


        

 「だから、私を無視

  したの?それは違うくない!」      



「い、いや、だから乗馬からはじめて、毎晩 クタクタだったんだ。


馬との信頼関係も必要だし‥

ド素人の俺が馬走らせるまで

ドンだけ大変か、努力したか、

理解してくれ

よ。


紬にカッコイイとこみせたくてさー

内緒にしてた。

馬の牧場も結構遠くて、ラブホに車

止めて寝たんだよ。


ラブホのオーナーも祭り関係でサ

駐車場を提供してくれたんだよ。



クタクタで運転できないしさー。

無理に帰っても、ヌ、

来ないといけないし

泊まりが楽だったんだよ。」

     

  (GPSがラブホ で、

   止ってたのソレかよ。)


 「 ウ~ン。

  しんじれる??

  あの子いたんだし

  "何回か、"関係しただろ""。」



"" シテナイ。""

 「 誓える。二人でラブホ

  入ってない。

  銀行経由で祭りの話が令佳 "サン"

  の耳に、はいったんだ、

  俺が話したんじゃない!!


差し入れとか持って来たりはした

けどラブホなんて、とんでもない。」

             


「 じゃあ私も、連れてけば

良かったでしょっ。٩(๑`ω´๑)۶」


「だから. 令佳も連れて行って無い。

 勝手に来てたんだって!!。」



     「またよびすてかよ。」


 アッ!! シマッタ…

「令佳サン!!サン"」



デ!!




「えと…デ!!   でって?」


 「話終わった?なら帰っても

  いいですよ~。大江・ "サン"」


「こんなに謝ってるんだよ。」 


  「三田 "サン"の事!!

   まだ謝って貰ってない!!」 


「あ、お、お前が好きすぎて

 ↓妬きもち焼いた。

 紬が‥浮気したらと思って

 頭おかしくなっていたよ。


  本当に

 スミマセンデシタ。

 彼にもちゃんと謝るよ。」

 (え?謝るの?論の奴 

チョーシくるった。

メチャクチャ素直ヤンケ?。)


仕方ないとの判断をした紬は

決断を下す。

 


 「まあ、そうね‥うん。

  なら、許してあげる。」


論は  パアーアアっとバラが

開くような

スバラシイー笑顔をみせた。

      




  「幸せそうな笑顔ね。」


大家である三田さん夫婦はニコニコ

して玄関先にいた。


この三人が同じ大学出で同期生と

言うのを紬は、ビックリ‼ 

して聞いた。



蒼介さんの元カノとゆうことにも、

もっと""ビックリ""した。



蒼太さんの誤解してる話も

遙ちゃんの可愛らしい笑顔でぶっ飛ぶだろう。



「論ってあんまりデレーっとしたこと無いよね。

 彼女いることにもビックリダヨ。

 ゲイって噂もあったくらい。」




「ヤメロ!! 俺は一途なんだよ。

 紬以外無いからな!! 」



論はそんな熱い告白を、ずっと

言っていた、気がする。


「もう一度だけ、信じてみる。!!」

                か?

ヤレヤレ




 7月も半ばを過ぎた。

今年の夏は異常気象! 

暑すぎる。

俺は相変わらず銀行で働き、土日

祭日は牧場で馬と戯れている。


紬は、向こうで生活をしている。

紬の生活費とりあえず百万は渡し

てある。


俺のせいで安定した仕事を止め、

マンションを借りたり、電気製品

買ったりしていたから

当然の義務と思う。


三田夫婦がいるから安心ちゃ安心。

実は母方の祖母が、紬のいる県で

1人暮らしをしている。



80を過ぎた高齢者だから心配も

大きい。幼少期は夏休みや、

冬休みはずっと祖母の家で過ごした。


俺に取っては故郷と呼べる土地!


海もあるし野球観戦にも良く連れて

行ってもらった。


祭りが終われば移動願いを出して

紬と暮らしたい。


祭りがあるから我慢出来るが

もう限界だと思う。


ちゃんとプロポーズをして

結婚したい。



今日は朋美の事を蒼介に、

話したいと思って

居酒屋に悠人と3人で飲むつもりで

呼び出した。


咲姫の交際も順調だし

もう打ち明けても、ぶれないだろう。

黙っていたがいいかもしれないが、


紬と三田夫婦の付き合い。

紬と俺親友の付き合い。

避けては通れない

何時かは顔をあわせるだろう。


どちらとの付き合いも切れないから‥




提灯が入り口の横にかけてある

居酒屋、タケちゃんに、三人は集合

した。

家飲みでもよかったが、久々に

賑やかな所で飲み会をしたかった。



金曜日の夜でもあったから店は

賑わっていた。



刺身や焼き魚、焼き鳥などを頼んで

ビールでカンパーイ


ゴクゴクゴクと、ひやがった喉を

軽い苦味と、きめ細かな柔らかい

泡が流れ込んでいく。


ウウ~ップうめぇ~。

三人でプハプハ言ったあとそれぞれ

の近況報告をした。



悠人と清代乃は付き合いも順調!

蒼介も咲姫と将来を約束している

ようだ。


俺の一連の騒動は二人とも知ってい

たが紬と仲直りしたことは彼女達経由で何となくそれも、知っていた

ようだった。


令佳との誤解が始まりだった。

しかし俺は誤解で通しても

婿養子狙われた事は、俺には誤る算だった。




「あ~あの銀行マン!ヤッパリ

 おまえだったか!!。」




シシャモをクルクル回し蒼介が笑い

ながら肩をバシバシ、しばいた。



「俺も目が隠してあったけど

 論ってわかったよ。」


「え、何で分かる?」


「俺のプレゼントしたシャツに

 蒼介と3人お揃いの、ネクタイ

ピンをしてたからさ。


 俺と、蒼介は、

 銀行マン=論 だからね。」




「あ~マジかい!」


        「おうよ。」



「でな!, 朋美のことだけど…。」


「あ~いやな名前出すなよ。

 酒がまずくなるしっ!! 」



蒼介はあきれざまにボソッと呟いた。



「まあまあまあ!!、今は咲姫ちゃんと

 デキちゃってるだろ!!

 もう時効だよ。な、な。」





悠人が、ふてくされた蒼介を

なだめるように、

肩をポンポンと叩いた。




「実はな!

朋美に会ったんだよ。」




俺は隠せる事じやないし黙ってる

訳にもいかない。



俺と紬は、その内 式を挙げるし

三田夫妻にも、蒼介にも式には出て

ほしい。

俺と紬の大事な人達だからだ。


蒼介は飲んでいた水割りを咥えたまま止まった。



      「で…・!!

今更だ…ろ。」



「ああ、俺もそう思っていた。


 あれはお前が誤解したんだ。

 朋美は、嘘つける女じやないだろ?

 お前が一番知ってたんじゃないか?」



            

それから朋美との思わぬ再会、

紬が世話になっている事

朋美が、結婚して娘がいること。


不妊治療の末、2人目を

三年かけて子供を授かった事。

などを報告した。





蒼介は少し寂しそうな顔をして

遠い昔を懐かしんでいるのか?

ちびちびと酒を呑んだ。



やはり心のどこかで、あの時の

真実が頭を出していたのかもしれない。そして、

蒼介も真実を確かめ無いまま

別れた事を後悔したんだろう。





年月が過ぎるまま風化していったが

時々頭を出してきて、

後悔とやるせない思いに

縛られていたと思う。




俺たちはもう直ぐ30歳になる。

色々な事を乗り越えた年齢だ。


暫くして蒼介は

「咲姫に会いたくなった。」

と言って店を急に出ていった。





昔の事だ…。

あの頃ベタベタに惚れていた朋美…



「そうだよ。」

 よく考えたら、彼女の浮気じゃ

ない!

朋美が倒れたのは本当だった


 あんなに三田から着信あったし・・・

 

 だけどなぜか許せなかったんだ。

 朋美が貧血気味なのは知ってたし。


あれは妬きもちだ。

今なら、相手の三田にもありがとう。と礼も言えるだろう。


 若すぎたんだよ。

 子供だったんだ。


昔話が咲姫への想いをたちあがらせる、咲姫に会いたい、咲姫の顔を見たい。




「あれ?蒼介どうしたの?」

フッと咲姫のマンションに現れた

蒼介にビックリ‼


   「咲姫に会いたくてさ。」


「ふふ、嬉しい。なんか食べる?」



「今3人で呑んで来たんだよ。」


テーブルの上には体温計?

みたいなものがあった。


咲姫はパパパとかたずけて、

お菓子とコーヒーを持って来た。


暫くゲームに二人で没頭した。


  

もう直ぐ日付けが変わる頃!



「ねえ、蒼介?」


      「ん、ナニ?」


「子供…好き?ほしい?

 私と蒼介のあかちゃん。」


「ン?まあ後々は欲しいけど

まだいらないかな?

もう少し、遊びたいかな?

子供できたらさ

どこもいけないし

限られるじゃん。」



「そ、そっか。

 うん、確かにね…。」


  「あ~酒回ったのかな?

      ねみーい。」


ソファーにゴロンとなった蒼介は

直ぐ寝てしまった。


毛布を掛けて上げながら

さっきの妊娠検査薬をかかげてみる。

カレンダーの♡の日は

蒼介がお泊まりした日



ハアアアアッ!「どうしょう。

     お腹を撫でながら

     ボーッとしてると。」


蒼介がポッリ

「朋美、朋美、良かったな?」

   エッ !(꒪╻꒪|||)


なんじゃと?


・・・・・・・・・・・・?


朋美って・・・・・・ ¯ _ ¯? ダレダ?



「朋美ってダレ?」

昨日寝ながらずっと呼んでたよ。

¯ _ ¯ ダレダ?




思わぬ咲姫のズバッとした疑問!!

をなげかけられる。

「朋美ってダレ?」



パンを焼いていた蒼介の顔が

急に険しくなった。




「ああ、悠人と、論と昨日3人で

 その話したからかな?

 寝言?ゴメンゴメン

おれ、すぐ寝言言うし。

気にするな‼」




友達と言われてもその慌てぶり‥

をみてれば、

どんな関係か丸分かりデスヨ。


「ねえ、昨日の話だけど…」


   「んなに?」

蒼介はサラダに和風ドレッシングを

かけながら聞いた。


「蒼介は何歳で結婚したいの?」


「俺?ああ、昨日の子供のはなし?

秘密だけど、論のやつ

一人子作りしてるんだぞ。

危険日を狙ったり

こっそりゴム外したり

紬は知らなそうだし…

 

奴スケベだから直ぐ

子供出来るんじゃね。


俺はまだいらないかな!! 」




「へえ!!要らない! もう”30 ”

だよ。」

テーブルに仰け反りながら聞いた。


       「まだ30だ!」

蒼介も負けずと言い返す。


「じゃあ!!

 結婚もしないの?」


「まだまだ!

 だってほらまだ咲姫23だろ

 早いって。」



「私は…いいよ。

 3でも5でも。」



   「またまたぁ~」

どうやら蒼介はその気がないみたい。


蒼介は昼から出勤らしく帰っていった。


不安なままじゃ仕方ない!

産科に行くと旦那さん連の妊婦さん

ばかりだった。



凄く不安になったが

間違いだったら心配事もなくなる。



問診表に、

産む、産まないかにマルを付ける

欄がある。



悩んだ挙げ句、“分からない”。と

書いた。


「田辺さ~ん

 田辺咲姫さ~ん。」


呼ばれて、パンツを脱ぐことに

ビックリ

 ∑(OωO;


まどまどして耐えられず

しかもあの体制!

無理無理無理。

逃げ出したくなり診察室から出よう

とすると


マツコみたいな綺麗な肌の

マツコ看護士さんが、


「みんなあんなして、頑張ってる

のよ。

 子供が出来ない人達は

 尊敬する位頑張ってるのよ。

 しっかりしましょう。


 逃げても不安は消せないよ。

 好きな人の子供でしょ。」


 うなだれたまま、看護士さんの

言う 通りにした。


産婦人科の診察って・・・

咲姫は目を瞑り恥ずかしさと

蒼介がいない心ぼそさに耐えた!

これは、やった人にしか分からない


不安との戦い

辛い決断‼

・・・もし妊娠してたら

どうしょう。









    

      


      

     




     






   




 


 


            

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