第10話 婿養子?


紬は、旅先から一回帰ったらしく

会社を辞めていた。

愛してるのラインは、もう論には

届く事が無かった。



俺の誤解は溶けていない。

令佳は妹のような存在だと言って

何度説明しても許して

くれない。



久し振りの紬からのライン。

「あたしの兄貴的な存在。」


何と紬は、素顔のままで男と

写った写メを送ってきた。


クルクル巻き毛をポニーテールに

してメチャクチャ可愛い笑顔で

BBQのカンパーイらしい。



男はデレーっとしていて絶対紬を

狙っている。

俺の動物テキナ勘だ、間違いない‼


「もう奴と寝たのか?」

        イラッ

「論とは違う!

彼は 身体なんか求めてこない。」

           ムカッ

             


「俺は彼氏だから当然許される

 行為だ。」ムスツ


 「論は、よろしくやってんじゃん。

  お,泊,ま,りも、未だあるし。


  彼女、子供狙ってるよ。

  もういるんじゃない?」

          ヒヒヒ


「俺は紬だけだ!」


  「な理由ないじゃんWww。

           ウソウソ嘘ツキ"""


 今日発売された雑誌見ても

 そんな事言えるのカナ?」


 もうブロックするね。

 あなたの彼女に妬まれたら

       ヤダヤダ( ̄0 ̄)。

   サヨナラ‥お幸せに。」


「なに勝手に決めてんだよ。

 好きなんだよ。

 お前だけだから、

 信じろ!」



慌ててコンビニにマスクをして

買いに行った。

デデンと並べられた雑誌には目隠し

をされた令佳とオレの写真が並んでいた。



深夜のデート某デパートの令嬢と

銀行マン!

   会長公認


「うわつ、マジか?」


プルプル震える手で令佳に電話する。

「令佳、みたか?」


「うん。気にすることないよ。」


「いやいや、深夜のデートって

 あれは、皆いただろ?。」


 「いいから、いいから。

  私気にしてないし

私テキにアリだし。

  論の事スキ。」



「ええーマジかよ。」


 「うん。お祖父様も論

  なら婿養子に賛成って!!

  勿論パパも‥良かったよね。

 って賛成してるよ。」



「簡単に言うなよ💥💢💥

そんなつもりでオレと

友達付き合いしてたのか?」




 「うん。

勿論だよー良いじゃない。

  あの人も居なくなったし

  論との障害物はなくなったし

  ね、私達上手くいくから‥。」



「え!!」



「論が良いの。」


      「好きなの!! 」


「あの写真を送ったのは令佳?」


  「あ、ああ、あれは

   論の為を思ってからよ。


   私と結婚したがぜったい

   ロンのためだよ。


   社長だし、

   お金の心配0だよ。」


「イヤイヤイヤ、俺は銀行マンだ。

 金を動かすのに喜びを感じるん

だよ。

 金、金、金、金は大好きだ‼

 だけど自分の金、転がしたって

 喜びは感じないんだよ。」



令佳は不貞腐れたように言う。

「だって資産◯兆円あるんだよ。

 要らないの?

そうそう稼げるお金じゃないか       

ら‥。」





「ああ、残念だな。

 俺は自分で稼いだ金で

 家族を養いたいんだ!

 用意されたレールは苦手なんだよ。

お前に買われた覚えない。


 残念ながら、お嬢様育ちの君は

 駄菓子の旨さを知らないだろ?

 お茶漬けの美味さなんか

 分から無いだろ。」


     「わかるわ。

     お茶は好きだもの。」


「にしても、無理だ。

 今お前の事凄い、いやな奴に

 思ってる。

 

 卑怯な女にしか思えない。

 最低な女だな。

 二度と現れたらストーカーで

 訴えるからな。」


「何でよ。

 可愛いって言ったじゃない。

 お金もあるし

 論を幸せに出来るよ。」


「俺は幸せにしたい方なんだよ。

 カネじゃない。

 それに、お前には惚れていない。

 惚れた女は1人しかいない。」

         ブチツ。


ハア~ツ

かなり疲れた。

俺は婿養子に、狙われていたのか?

買われそうだったのか? 



兎に角こうしちゃおれん。

飛行機のチケットが運良く取れて

紬の住むXX県へ。


ある程度キヤツシユコーナを転々として、まとまった金を下した。


20万しかおろせないからコンビニを

探して其処で20万ずつ下した。




もう梅雨明けしたからよかったが

これが、雨だったら気持ち暗くなる

だろう。


また怒りがこみあげて来る。




俺は三田と紬をどうやって別れ

させるかだけをシユミレーシヨン

していた。



我ながら男の嫉妬ってヤバい!



タクシーに乗り紬のマンションに着いた。 

建物事態は頑丈な造りのようで

少し安心した。




まあ、興信所のDVDで見た通り

ではあった、駅にも近くて

バス停もあり



「結構いいマンションだ

お高いんじやね。」

ふと不安がよぎった。


「あいつか?

 三田が援助してる‥とか?

 あり得る。」


三田は、独身か?

既婚者か?


エロジジイだったら、許さーん。

(怒)

援交だったら...


想像は膨らんで膨らんで﹏‼


俺は血が登りカーッとなった。

血液がギュンギュン流れてる気がする。

カッカして、体が軽い。



インターホンを押すが出て来ない。

仕方がないから部屋横でまつ。

血が登った頭で考えることは

最悪な制裁。



女の嫉妬は怖いが

男の本気の嫉妬は危険だ。

デンジャラス

テンションマックス✌ハイテンション

準備体操しながらウロウロ。

空手三段

首コキコキ、パンパンよっしゃー‼

身が軽い。

血がスムーズに流れている。

ジュッジュッジュッ




俺がこんなに嫉妬深く、危険な男

だったとは?自分でも信じられない。




目がギラギラしているのがわかる。

よく見える。人間業ではない。


オレ野生化してる。


こうやって、事件なんかおきるのか‥

我ながら、恐ろしいな。

今、三田を見つけたら自分じゃ居ら

れない‼多分...冷静では無い‼


トントン、

トントン。


体育座りしていたオレの肩を誰かが

たたいた。


「ん、寝てたのか‥。」

眠い目をこすりこすり目をあける。



 「紬の知り合いですか?」


ムカッ「紬?よびすて?俺は紬の

婚約者ですが‥あなたは?」 

  

          ジロジロ



俺はこの爽やかイケメンを品定め

するかのように上から下まで蛇の

目でみた。


もう嫉妬に狂った悪魔かも知れない。







何かを感じたのか三田は俺を怪しい

者を見るように見ていた。

ブルッ

「あ、ああ、そうですか

僕は三田と言います。

良かったら家で待ちませんか?」

(紬を待ち伏せする男!

本当に婚約者か?もし違ったら

紬が危ない。とりあえず話を

聞いて見なければ。)


ン!!三田、コイツ三田ってたかぁ!!💢


「おお💥💢💥是非!

 俺も話があるんで💥💢💥

 伺わせていただきます。」

        (大人の対応!)

三田の後をついて隣のかなり高級

マンションに入る。


話によっては、タダじゃすまないぞ‼


コキコキ、シュッシュッ!


三田は不思議な顔をしている。



「彼女にはいっもお世話になってて‥」

三田は恐縮しているのか少し小声で話す。


  》﹏

俺はデカい声で言った。


 《《「アナタの事は、

  アイツいいにくいのか

  何も聞いてなくて‥

  何故話してくれないのかな?

  言いにくい事情デモ

  あ"る"ん"で"すか!ねっ!!」》》



挑発する様に不機嫌な言い回しをする。



エレベーターの中で2人は無言だった。

彼は少し何か言いたそうにしていた。


「かえったよ~。」


    「パパ~おかえりー」


「ん?パパってたか?」

論の嫉妬の炎はバケツの水を

頭からかけられたように鎮火‼


    「お帰りなさい。

     あれ?紬ちゃんは?

     一緒じゃないの?」


     「え! 」


「朋美、遙、彼は紬の

婚約者さんだよ。

えっ・・とお名前聞いて無かった

ですね。」


すると玄関迄迎えに来た彼の

奥さんらしい人物を見て‎


 (⊙⊙)!!「えーっぇぇぇ。」



 Σ(ŎдŎ「あ~ああぁぁぁあ。」



「と、っとも、じゃないか?」

論は、ビックリして叫んだ


「ああぁぁぁ論、大江論じゃん

 なんでー、

 どしたら論がウチにくるわけ?」



「知り合いなの?」

三田は、優しい目をして彼女を見た。


 「う、うん。ほら昔つき合ってた

元彼の親友。」


    「あ、ああ~ね。!」


それから俺と朋美と三田は大学時代へと遡った。

あの日へと・・

俺のツレの蒼介と朋美は付き合っていた。凄く仲良く蒼介も朋美にデレデレだった誰が見てもお似合いで

羨ましがられていた。


昔から朋美は貧血気味だった。

あの日もアルバイト先で倒れて

アルバイトリーダーだった三田が

彼女を彼女の部屋に連れて帰ったそうだ。


蒼介に何回も連絡したけど繋がらず

仕方なく彼が看病していて


試験開けだったこともあり、つい

彼女と同じベッドにねてしまった。


そこに着信の多さにきずいた蒼介が

飛んで帰ってきて看病にしてる内にウトウトとしてしまい三田は

朋美のベッドに寄りかかり眠って

しまった。

それを見た蒼介が

誤解してしまったと言うことらしい。

彼に何回も話を聞いてくれと三田

も頼んだ が彼は蒼介は

聞く耳をもたなかつた。

 

それは俺達も知っていた。


今更だけどあの日は無実です。

三田は信じられますか?

俺の話と確認する様に、聞いて来た。


  

 「ああ、信じますよ。」

 

三田も朋美もホッとした笑顔を見せた。


 「今は蒼介も好きな女にぞっこん

だし、

  彼は元気だぞ!蒼介の彼女

  朋美より、若いしラブラブだから

  安心しろ!!」




 誤解か、怖いな!!



俺もこんないい奴をヤろうとしてた、嫉妬で何も見えなくなっていた。怒りだけが優先していた。




 

 蒼介にも教えてあげたい。

 朋美は裏切ってなかったぞ…と。

あの時は蒼介の誤解だと

誰もが言っていたのに

それでも蒼介は、許せなかった。

他の男と同じ部屋で寝ていた事が

許せない理由だった。

仕方ないとは思って見ても

はがゆかったのだろう。





何より怖い、嫉妬心!

身を持って体験した。


俺の無実を紬を押さえ込んでも話さないと紬の誤解は消えない。



「あ、ほら隆史!灯りついたわよ。

紬ちゃん帰ったんじゃない?

 論、私もいこうか?」

朋美は少し出てきたお腹を撫でた。


「もしかして」

俺が聞くと恥ずかしそうに頷いた。


「うん、2人目だよ。」



「もう暗いから妊婦さん

は家にいないと。」

俺はニッコリとして朋美を見た。

遙ちゃんか、可愛いな。


きっと、神様が朋美に対する

蒼介の誤解を

解くために紬に合わせて


くださったんじゃないかな


俺は朋美を見て言った。

「もう、蒼介の事は、心配するな、

な!! 」


     「うん。」グスッ




二ヶ月前の出来事だった。

「あ~あつかれ、‥」

ふと電車を降り食事にでもいこうと

食事処を探していると紬の目に

    

駅のエスカレーターにぐったりとした女性がのっているのが見えた。

     


「あれ?おかしくない?」



全身に鳥肌が立った。

持ってた荷物を放り投げ走った。

こんな事したら駄目なのだがもうすぐ上に着いてしまう。


エスカレーターを三段跳びで

ダッシュして彼女を抱え込んだ、間に合った。

後二段で危なかった。

彼女はもう立ってられなくへたり込んでいた。




紬は、ホッとして、なんとか

椅子のある場所までゆっくりと、

抱えながら歩かせた。




吐き気が凄い彼女に袋を差し出し

吐かせて、自販機から水を買い、

口をすすがせた。





親切なお婆ちゃんが飛んできて、


「大変だったね。


はい、荷物全部あるかい。」

と紬の荷物を持って来てくれた。



「ああ、ありがとうございました。」


お婆ちゃんは身なりのいい人でもう

一人娘さんなのか?、50代くらい

の綺麗な人と一緒だった。




「大丈夫?救急車呼ぶ?」

綺麗な女の人は倒れた彼女に聞いた。


「有り難う御座います。

 主人に電話しますから

 大丈夫です。

 貧血気味でたまにこうなるんです。

 御迷惑おかけしました。」




「そう?ならいいけど、じゃ

お大事にね。」


紬が代わりに、ペコペコ頭を下げて

御礼を言った。



二人はニコニコしながら去って行った。



携帯の旦那さんの番号を押して

迎えにきてもらう事になった。


眼鏡をした、優しそうな論位の

歳のイケメンの旦那さんが現れた。



髪をオールバツクでスーツの似合う

人だった。


「良くして頂いて有り難う。

 御礼をしたいので住所教えて下さ

い。」



「えっと、実は今住む場所を探して     て、まだ決まって無いので‥


それより、奥様

  

妊娠してませんか?

診てもらったがいいと思います。」      




急ぐ旅ではないのでおつき合い

します。旦那さんが車を回して来る

まで付き添い、フラフラしている

彼女に病院までつきそった。


結果は妊娠二週目

一人目を生んでなかなか二人目が出来なく不妊治療を始めて三年だった。




二人は泣きながら喜んだ。

紬も幸せな時間を過ごせたと御礼を

言った。

病院で別れをつげ歩き出した紬を、

夫婦で引き留めて部屋を提供した

紬には御礼がしたかった。


紬がいなかったら、せっかく望

まれた子供を流産していただろう。

考えると恐ろしい。

と紬と会った経緯を話してくれた。

そうつぶやいた彼女の顔が忘れられない。


      

      


      

   



     











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