十三号独房の問題
☆STEP 1
ジャック・フットレルの傑作短編。思考機械と呼ばれる男が知性に不可能がないことを示すために自らを牢屋に閉じ込めさせて脱出をはかる物語。
さて、英訳作業に入りましょう。
まず「十三号」は【number thireteen】でしょう。ちょっと「サーティーン」のスペルにあやしい感じがしますが。
問題は「独房」。「牢屋」は【jail】だったような、「囚人」が【jailer】だったような。「監獄」は【prizun】だったような。
ただ「独房」というのは刑務所全体ではなく、一つの牢屋ですから別の英単語があるはず。
問題はさらに続きます。「問題」が問題なのです。「十三号独房からどうやって脱出するか(できるのか)」という問題(出題)ならば【question】。解決すべき困難なことならば【probrem】でしょう。
悩む、迷う、悩む……タイムアップです。
☆STEP 2
というわけで……
“The question of Number 13 jail”
……で、どうでしょうか?
スペルがあやしいので【thireteen】は13とアラビア数字表記にして逃げを打ちました。
☆STEP 3
正解は……
“The Problem of Cell 13 ”
……でした。
まず【probrem】のスペルが間違えています。RではなくL。
今回は原題にたどりつく以前の綴りのミスが多く、案の定ですが【thireteen】ではなく【thirteen】。数字、それもただの13もろくに書けないとは困ったものです。
そして「監獄」は【prizun】【prison】。【jail】は「刑務所、拘置所」、【jailer】は「囚人」ではなく「看守」でした。ちなみに「囚人」は【prisoner】。
やっと原題の話ができます。【cell】って細胞じゃないの、と英和をひきます。いきなり〔「修道院の独居房」が原義、そこから種々の組織体の基本単位を示すようになった〕とあり驚きます。確かに表計算ソフトでもセルという言葉はあります。一応、「独房」と和英でひくと【cell】とありました。
派手にやらかしたぶん、いつになく「勉強になったね」の回でした。
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