第70話 首筋にいたずら
ある日、チェーン店でハンバーガーとポテトを食べている時のことだった。
カナタが可愛らしく、飲み物のストローに口をつけている。
俺はサービス精神旺盛なので、面白い話を披露する。
そうやって、カナタと談笑すると彼女が可憐に笑うのはいつものこと。
だが、最近では「やだ、もぅソウタったら面白い」といいつつ俺の肩を優しくたたくのだ。
本当にさりげないコミュニケーションが徐々にうまくなっている。
これは、誘っているのか、誘っているのか。
いや、違う。
純粋に俺への好意を示しているのでは!?
またいっているよリア充がと舌打ちが周囲から聞こえそうではあるが、俺は幸せで有頂天なので気づかない。
それはそうとそっぽを向いている首筋の筋がまた色っぽいなぁ。
ていうかなんで首に手を当てたりする仕草とか、背伸びする仕草とか、なぜ好きな女性の一つ一つの動きにここまでドキドキしなければならないのだ。
まったく俺を萌え殺す気ですか。
カナタは向かい合って座っているので、セクハラもといいたずらができぬではないか。
まったくもって辛い。
俺はトイレに行くついでに、カナタの首筋を撫でる。
「~~~~~~っ」
店内なので、変な声を必死に出さないようにしているのだ。
これはこれでよきかな。
あとで机の下でぐりぐり足を踏まれたけど本気じゃないのがよくわかる。
彼女は涙目のまま両手で飲み終えてないジュースをずぞぞぞと不満げに音を立てて飲むのだった。
子供っぽくて可愛いなぁ。
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