高校生活最後の年編

第60話 新学期暇なのでお花見ですよ。

 身体検査問題なし、模試・学力テスト結果良好。


 新入生歓迎会?正直どうでもいいです。


 だって、彼女いる3年生がいまさら1年生に媚びへつらう理由がどこにあるというのだ。


 馬鹿らしい。


 身体検査って響だけ聴くとなんかエロいがまぁ大したことはしていないしカナタもされていないだろう。


 まったく、セクハラもとい、カナタとイチャイチャできぬぅううううううう。


 辛いです(ぴえん)。


 あっお花見してないじゃん。


 少し遠いところにある公園の桜がそろそろ咲くころだなぁ。


 よし、カナタを誘うか。


 桜の花びら降る学校からの帰り道でカナタと談笑する。


 これはこれで楽しいが、足りぬ、足りぬのだ。


 「なぁカナタ」


 「ん?」


 「お花見いかないか、弁当をもって」


 「いいね、楽しそう!妹ちゃんも一緒に?」


 「いや、俺とお前二人きりで行きたい」


 「…………うん、わかった」


 えへへと笑う彼女の右肩に手を置いて俺は意気揚々と叫ぶ。


 「そうと決まれば一緒に弁当を作ろう!」


 「お、おー」とカナタは小さく手を上に突き上げる。

 

 最近ノリよくなったなあ、この娘。


 一緒に笑いながら俺の家のでっかいキッチンで弁当を作って、桜の見える公園へ向かう。


 春の気持ちいい風が頬を撫でる。


 公園では先に来ていた子供や犬が飛び跳ねる。


 シートを敷いて、弁当を食べた後、俺はカナタに膝枕される。


 俺は気づけば、うとうとしていた。


 見上げるとそこにはカナタの巨大な双丘(胸)がみえた。


 「眠ってもいいよ、最近勉強やバイトで疲れているでしょ」


 「うん……頭を撫でてくれ」


 「はいはい。なんだかソウタ、でっかい赤ちゃんみたい」


 「それはそれでいいなぁ…………(スヤァ)」


 春風に舞う桜吹雪が二人を包み込み、カナタは子守歌のように鼻歌を歌うのだった。


 

 

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